3月1日に国立感染症研究所が報道機関に向けて、異例の声明を発表しました。国立感染症研究所は「新型コロナウイルス感染症の積極的疫学調査に関する報道の事実誤認について」という反論文で、その中で「最近の各種報道では、上記の件以外でも、本所が『検査件数を抑えることで感染者数を少なく見せかけようとしている』、『実態を見えなくするために、検査拡大を拒んでいる』といった趣旨の、事実と異なる内容の記事が散見されます」と述べ、事実とは異なる報道記事があると指摘。先週、テレビ番組「モーニングショー」の岡田教授の告発を意識してのものと思われます。同番組内で岡田先生(教授)の告発は、PCR検査の体制が十分ではないのは、感染研OBの利権と述べ、この問題は生命にもかかわることで大問題と番組で取り上げられました。現状のPCR検査数の少なさに関しては、山中教授も「五つの提言」の中で、検査数を増やす必要性を訴えています。
目次
国立感染症研究所 異例のPCR検査に対し反論
3月1日に国立感染症研究所が報道機関に向けて、異例の注文を出しました。国立感染症研究所は「新型コロナウイルス感染症の積極的疫学調査に関する報道の事実誤認について」という反論文で報道機関が誤った報道を指摘し注文を申し入れた。
その中で、北海道に派遣された国立感染症研究所の職員らが「入院を要する肺炎患者に限定すべき」などと発言し、「検査をさせないようにしている」との疑念が指摘されている件
も事実誤認だとして、「積極的疫学調査では、医療機関において感染の疑いがある患者
さんへのPCR検査の実施の必要性について言及することは一切ありません」とコメント
していました。
テレビ番組「モーニングショー」の岡田教授の告発の内容
テレビ番組「モーニングショー」の岡田教授の告発の経緯から説明します。
「モーニングショー」のスタジオでの岡田教授を交えてのトークです。
羽鳥慎一アナが「現場の医師はPCR検査が必要と判断しても受けられない例がかなりある」と、東京都の医師会が指摘していることと、 その理由として「保健所が『現状では重症の肺炎患者を優先』という理由から断られたケースが多い」と、医師会は説明したと紹介します。
今も感染の拡大が懸念されている。日本医師会は「医師の判断で検査を確実に実施できるよう態勢強化を」と訴え、加藤勝信厚労相は「来週にも公的医療保険の適用対象にする考え」を示しす。
現在PCR検査を行うためには、医療機関は保健所に申し込む必要がある。
そして保健所が必要だと判断した場合に限って、地方衛生研究所が検査を実施している。
PCR検査が保険適用になると、もちろん検査費用の個人負担分が少なくなる。
それだけでなく、医師が検査を希望しても保健所に相談する必要がなくなるという。
将来的には民間の調査会社への発注も期待されている。もし民間への依頼が可能になれば、検査が可能な件数を大幅に増やすことができる。
番組内では、このように保険適用のメリットを報じていった。必然的にPCR検査数は増えると誰もが考えます。
ところが岡田教授は「たとえ保険適用になったとしても、一般の病院が民間に検査を発注できるとは、新聞記事のどこにも書いていない」といった主旨の指摘をしました。
これに玉川氏は「それは国会で問いただすことになるんじゃないですか。そうじゃないと意味がない」と返し、 羽鳥アナは「多分、現状はそうじゃないんですよね」と説明。
玉川氏は「今までと桁が違うくらい検査件数を増やす」ために政府は保険の適用を決めたと、改めて解説し、 保険で検査費用が安くなり、医師が保健所に相談する必要がなくなる。そうすれば需用が飛躍的に伸びる可能性は高い。
需用が伸びれば、言葉は悪いがビジネスチャンスだ。PCR検査を引き受ける民間会社も増加することが見込まれ、そうなれば検査が可能な件数が増える。
さらに玉川氏は「検査件数を増やすことが、どれだけメリットがあるか」、「偽陽性の問題があるとしても、検査をしない現状より、検査をしたほうが圧倒的に国民の健康を守ることにつながる」などと説明。
そして羽鳥アナが「なんで岡田先生、こんな(検査の)数少ないのかなって、とこなんですけど」と岡田教授に質問。
そしたら岡田教授は声を震わせながら「あの……」と話し出します。
岡田教授が突然に驚愕の暴露を開始したのです。
岡田先生(教授)の告発の内容は以下の通りです。
「プライベートなことは言いたくないんですけども、中枢にある政治家の方からも、「こういう説明を受けたんだけど、これは解釈、本当にこれでいい?」とか、よく電話がかかってくるんです。
公的負担に関しては「できたよ」という風な電話があったんですけども、正直言いまして複数の先生から、クリニックから直接、民間に検査できるかということについては「ちょっと待ってくれ」と言われている。
「だから、それはまだ分からないんだ」「じゃあ先生、待ってくれというのはどういうことなんですか」ということをお聞きしました。
私は穿った見方をしていました。経済の方とかご同席すると、「オリンピックってのは巨額なんだよ」と。「そういうために汚染国のイメージはつけたくないんだよ」と、そういう大きな力なのかって思っていたんです。
それは抗いがたいくらいの大きな巨額な力なのかなと思っていたんです。 先生方にぶつけました。そうしたら「はははは」と笑われて、「そんなね、肝が据わったような、数をごまかしてまで、そんな肝が据わった官僚は、今どきはいません」と。
「これはテリトリー争いなんだ」と。このデータはすごく貴重なんだ。衛生研(註:地方衛生研究所)から上がってきたデータを全部、感染研(註:国立感染症研究所)が掌握すると。
このデータを「感染研が自分で持っていたい」ということを言っている専門家の感染研OBがいると。「そこら辺がネックだったんだ」ということを仰っておられて、私がその時に思ったのは、ぜひ、そういうことは止めていただきたいと。
大谷先生のところで人工呼吸器につながれて確定診断できない人がいる。
そしてこれ、広がれば数万人の命ですよね。こういう方がいっぱいいましたら、数万人なのか、数万人でも済まないのか分かんないと。
そもそも、こういう数値だったから、医師のPCR検査要求を保健所が断るのが原因で、行政が遅れてきたわけじゃないですか。
今、ようやくここから保険適用でクリニックから、行くかもしれませんけど、初動が遅れたという、感染症の一番のポイントは、初動だってところは、PCR検査が少なかったからだと思っています。
そういう意味では、論文がどうだとか業績がどうだとかということよりも、人命を、本当のところの人命を取っていただきたいという、元々の感染研の方針に帰っていただきたい」
最後に岡田教授は「一部にそういうOBがいるってことで、人命に関わってくるというのは凄く怖いなと思っています」と告発の言葉。
この岡田教授の告発に対し、玉川氏は「ものすごい告発ですよ」と答える。
羽鳥アナは「民間に検査を委託すると、感染研がデータ集められないってことですね」と確認。
山中教授の「五つの提言」
山中教授は3月、新型コロナウイルスに関する論文やデータなどをまとめたウェブ
サイトを立ち上げました。
このなかで山中教授は5つの提言を発表して問題提起しています。
新型コロナウイルスに対し、日本で行われるべき対策を示しました。
1つ目は「ウイルスが日本にだけ優しくしてくれる理由を見つけることができない」として、感染者の増加を抑えるため東京や大阪などの大都市で「今すぐ強力な対策を開始する」ことを訴えています。
2つ目は「感染者の症状に応じた受け入れ体制の整備」で、無症状や軽症の人にはホテルや企業の研修施設などを活用することを呼び掛けています。
また、日本では医師や病床不足などの医療崩壊を恐れ、PCR検査が限定的にしか行われていないとして「症状に応じた受け入れ体制の整備」を訴えています。
3つ目の提言として「徹底的な検査」を呼び掛けています。
4つ目は感染防止対策が長期戦になるとして、「国民への協力要請」と休業や雇用などへの「適切な補償」です。
5つ目は「ワクチンと治療薬の開発に集中投資」することを呼び掛けています。
ここで、PCR検査が限定的にしか行われていないとして「症状に応じた受け入れ体制の整備」と「徹底的な検査」を呼び掛けています。
感染研は、「積極的疫学調査では、医療機関において感染の疑いがある患者さんへのPCR検査の実施の必要性について言及することは一切ありません」とコメントしていますが、積極的疫学調査は、治療を前提にしていないという考え方に、PCR検査が一向になされない根本原因があるのではないかと思います。
山中教授の五つの提言にあるように、日本において、適切に事実を認識することは必要でPCR検査が、スムーズにできていない今の日本では、国民も適切な行動がとれません。
まとめ
今回は、「国立感染症研究所 異例のPCR検査に対し反論、検査数が少ない理由は?」というテーマでお送りしました。
いずれか、どちらかが正しいわけですが、気がかりなのは、アメリカ、韓国に比べ、日本だけが吐出して、PCR検査数が少ないことです。
そのため北海道では、PCR検査難民がでています。
なぜ国立感染症研究所は、手をこまねいているのでしょか?
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