新型コロナウィルスに対する日本の検査数は、海外に比べなぜ少ないのでしょうか。日本では、一日に約3800件の検査ができるとされていたが、2月18日から23日までに行った検査は計約5700件でした。保健所が医師の検査依頼を拒んだ事例が、少なくとも計30件あったことも日本医師会の調査で明らかになっています。検査体制の見直しを求める声におされてか、政府は、それまでは法律に基づき、保健所が認めないと実施できなかったPCR検査に、3月6日から健康保険を適用し、民間の検査会社などでも実施できるようなりました。もう、新型コロナウィルス発生から2か月も経ってからです。PCRの検査能力に問題があったわけではありません。そんな中で、専門家と一般の人々に認識のずれが生じ不安と不満が生じました。一体、日本のRCP検査数少ないわけはなぜだったんでしょう。日本の新型コロナウイルス肺炎による致死率が高いという事実の指摘があります。感染研がPCR検査のデータを独占したかったと指摘する専門家、岡田教授や上昌広医師もいます。疫学データのために人命が軽視されていたとしたら大問題です。
目次
日本のPCR検査数が少ないわけ
新型コロナウイルス感染症を巡り、政府の専門家会議(座長=脇田隆字・国立感染症研究所長)は3月9日、国内の状況について「持ちこたえている」と説明しました。
しかし、PCR検査は3月6日から保険適用になったにもかかわらず、遅々として進んでいないのが現実だ。現場で一体、何が起こっているのでしょうか?
この、理由は、厚生労働省は当初医療行為としてではなく感染拡大を抑える「疫学調査」と
位置付けていました。
結局、結果として思うように封じ込めが出来ず感染が拡大しました。
「疫学調査」とは、新しい感染症が発生した場合、感染者や濃厚接触者、疑いがある人の
健康状態を調べ、病気の特徴や広がりといった感染の全体像をつかむのが目的です。
患者一人一人を検査して治療する医療行為ではなく、感染防止策を探るなど病気から社会全体を守る公衆衛生的考えです。
「PCR検査の体制整備の遅れは、すべて感染研に問題がある」とは医療ガバナンス研究所理事長の上昌広医師は指摘します。
感染研の「疫学検査」へのこだわり
感染研は、疫学的調査にこだわり必要な試薬や装置を組み合わせて自前で確立した検査手法
にこだわりました。
例えば、中国・武漢をはじめ世界に供給していた製薬会社大手のロッシュ検査キットを使って国内の民間会社が検査をしだすと性能のばらつきで疫学調査にとって最も大切なデータの収集が難しくなると考えたようです。
結局この感染研がRPC検査のハードルをこのような目的で高くしてしまったわけです。
例えば、韓国では、ドライブスルー方式を活用して、積極的にPCR検査をおこなっているのに比べ一般市民は、不安になります。
検査の目的が違うことをしっかり国民に説明すべきでした。誤解はさらなる不安を招きます。
日本の新型コロナウイルス肺炎による致死率が高いという事実
「驚くことに、日本の新型コロナウイルス肺炎による致死率は、上海、北京に比べはるかに高い。なぜかと言うと、それはこれまでPCR検査を広く行ってこなかったからです」
医療ガバナンス研究所理事長の上昌広医師は指摘します。
たしかに、お隣の韓国は、今回の新型コロナ騒ぎで1日当たり5千~1万4千人のペースで
検査し、2月末時点で計約7万8千人の検査を終えたといいます。
それに対し、日本の検査数は、極端に少ない事実があります。
「今は感染研のための感染研になっている。政治に影響されず、真に国民の
健康を第一に考える組織にすべきだ」と上医師が指摘しています。
感染研がPCR検査のデータを独占したかったのか?
今回の新型コロナ対策では、感染研に9.8億円の予算が付けられています。
本来なら、それを使って感染者の広がりを知るためのサンプル調査をしたり、民間にPCR検査を依頼したりしてもよかったはず。
それらをしなかったのは、すべては自分たちの研究のためで、PCR検査のデータを独占したかったから、との見方も出ています。
実際、政府の新型コロナ対策を担う専門家会議のメンバーには、座長を始め、感染研に関係する人物がいます。
それで、PCR検査を民間まで広げることには消極的だったことがうかがえます。
結果的に、新型コロナウィルスは市中感染に突入しました。
「疫学調査」優先という考えは、誤算で、クルーズ船の対応を始め、これまでに専門家会議がとった対策が、功を奏しているとは言い難い事実があります。
感染研所長が、PCR検査を巡る非難報道に猛反論
立憲民主党の川内博史衆議院議員が予算委員会で、感染研から北海道に派遣された職員が「検査をさせないようにしている疑念がある」と指摘したことなどを取り上げました。
マスコミの報道も、過度に少ないRCP検査の数量に対し、上にあげたような疑念を報道するようになりました。
これに対し、
これに対し、感染研所長脇田隆字氏が、PCR検査を巡る非難報道に猛反論しました。
感染研は職員への聞き取り調査の結果として次の3点を公表。
感染者の範囲を調査により特定し、対応を行っていく積極的疫学調査のあり方についてアドバイスを行った検査に関する議論の中で、「軽症の方(あるいは無症状)を対象とした検査については、積極的疫学調査の観点からは、「PCR検査確定者の接触者であれば、軽症でも何らかの症状があれば(場合によっては無症状の方であっても)、PCR検査を行うことは必要である」と述べた。
「一方、接触歴が無ければ、PCR検査の優先順位は下がる」と述べた。
患者へのPCR検査を行うかどうか、職員には一切権限はなく、「本所職員の発言の趣旨が誤った文脈に理解され、事実誤認が広がった可能性があるものと考えます」との見解を示して報道を真っ向から否定した。
岡田晴恵教授、上昌広医師の発言も念頭にしてか、さらに感染研は、「検査件数を抑えることで感染者数を少なく見せかけようとしている」「実態を見えなくするために、検査拡大を拒んでいる」といった趣旨の報道で非難されていることにも言及した。
声明文では実名を挙げていないが、連日テレビに引っ張りだこの元感染研研究員の岡田晴恵氏(白鴎大教授)や、感染症は専門ではないのにやたらにマスコミに登場している上昌広・医療ガバナンス研究所理事長らの発言を念頭に置いているとみられる。
保険適用されたこと、誰もが近くの医療機関で検査を受けられるようになるのか?
長年、感染症の研究と治療に携わってきた、グローバルヘルスケアクリニック院長の水野泰孝医師は言います。
「今までと一緒で、検査依頼を出せるのは『帰国者・接触者外来』(全国約860カ所/非公開)の医師のみ。一般の病院や診療所では検査をすることはむずかしい」
今回の保険適用を受け、感染者や感染した疑いのある人が次々と一般の診療所を訪ねることが予想される。
そうすると、他の病気などで受診した患者らと同じスペースで待つことで、感染の恐れが出てくる。
さらには、多くの人が訪れれば風評も出かねず、すでに「呼吸器症状がある人の診療はしたくない」と言う医師も出るなど、現場は混乱しているという。
水野医師はこう訴えています。
「まずは、誰でも近くの診療所で検査を受けられる、という誤解を解くことが必要。
その上で、今後は一般の診療所でも検査ができる体制を整えてほしい」
まとめ
今回は、「日本のPCR検査数少ないわけ【新型コロナウィルス疫学調査優先】」というテーマでお送りしました。
つい最近、民間の島津製作所「新型コロナウイルス遺伝子検出試薬キット」の3月中の医療機関への供給を発表しています。
PCR検査を受けたいと希望する人には受けられる体制をしっかり整えてもらいたいと思います。
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最後まで読んでいただきありがとうございました。
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