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社会

かんぽ生命の不適切な販売の内容をわかりやすくまとめると、見えてくる問題点

投稿日:2019年12月24日 更新日:

かんぽ生命の不適切な販売の問題点は何か?そして、組織ぐるみで行われて来たのではないかなどを特別調査委員会のレポートをもとに考えます。

郵便マーク

 

かんぽ生命の不適切な販売の内容で、営業社員の年収の最高額は、2、569万円

かんぽ生命の不適切な販売の内容で、営業社員の年収の最高額は、2、569万円でした。保険募集業務を専任で行う渉外社員の平均年収が、655万円、この年収は、かなり高額です。渉外社員の約5%が年収1000万円を超えています。(2018年度)

もちろん、正しく頑張って稼ぎ出した収入であれば何も問題ありませんが、もし、この収入の陰に、犠牲になった人たちがいて、この特別調査委員会の報告書に書かれているような不適切な販売方法によって、稼ぎ出されたとしたらもはや「汚れたお金」と言えるでしょう。

 

年金2000万円問題が世間で注目されたように、国民は生活に余裕がない人が多く、でも人としてまっとうに生きることは、普通は忘れません。

そのなかで、詐欺にも近いような手口で、この最高年収2,569万円、平均年収655万円が稼ぎだされたとすれば、問題ですし、もし、組織的関与があったのであれば、組織的搾取といわれても仕方がありません。

そして、もし、このかんぽ生命不適切販売を徹底的に追及しなければ、「モラルのない人達がいい思いをする」という悪い風潮がこの日本に万円する恐れもあります。

かんぽ生命の不適切な販売の内容の具体的な事例

ことの発端となったのが、NHKの番組「クローズアップ現代プラス」で、このときの番組テーマは、「郵便局が保険を押し売り!?高齢者に保険を、局員たちの衝撃の告白」である。

 

この番組で、かんぽ生命保険商品の募集をおこなう郵便局員による不適正募集の問題をとりあげ、かんぽ生命不適切販売の実態が、国民の広く知れ渡ることなる。

この後、この報道に対する、日本郵政のNHKに対する報道圧力の疑惑も出ている。

 

そして、不適切販売の具体的事例であるが、次にあげるすべてが、高齢者を中心とする保険契約者の不利益、募集社員の利益につながっている。

不適切販売の具体的事例

  • 乗り換え契約をさせ、原契約は解約されたが、病歴等で新契約が引き受けされず保証が受けられなくなった。(1万8千件
  • 乗り換え契約で、新契約の加入時の告知義務違反として、契約解除になり保険金が支払われなくなった。(3千件
  • 顧客の医療保障を充実させたいという要望に対し、特約の見直しで済ませる顧客サイドの提案をせず、わざわざ、基本契約を解約させ、新規に特約のついた保険にかにゅうさせ無駄に保険料の支払い負担を増やし、解約リスク(前項目の内容)を負わせた。(2万6千件
  • 乗り換え契約で補償内容は、まったく変わらないのにの乗り換えをさせ、結果予定利率だけが下がった新規契約を結ばされ保険料が増加した。(1万5千件
  • 乗り換え契約のとき、新規契約後半年を経ってから(7~9か月)旧契約をかいやくさせる。その間、2重に保険料を支払うことになる。(募集人は、解約後半年以内の新規契約にならないため手数料が増される)(7万5千件
  • 乗り換え契約のとき、故意に旧契約から半年以上新契約の期間を遅らせ、その間の契約者に保証のない期間を生じさせた。(募集人は、全項目同様に解約後半年以内の新規契約にならないため手数料が増される)(4万6千件

この様な乗り換えが、契約者の意向ではなく、乗り換えのデメリットを説明しないまま、あるいは、条件がいいと偽り、郵便局営業員が自己の利益のために乗り換えさせられた、契約者の証言例がある。

契約者証言抜粋

「乗換契約は自身の意向ではなかった。自分の契約を変更する際、娘の契約も乗換えな いかと提案されたので手続を行った。私は、娘は切迫流産で保険金を受け取っている
経 緯があるためその旨説明し、新しい保険に加入できないのであれば解約しないと言った が、郵便局の担当者からは、大丈夫と言われた。 」

「乗換契約は自身の意向ではなかった。解約するつもりはなかったが、郵便局の担当者 から条件のいい保険があると勧められて、そのためには解約しないといけないと
言われ た。告知が必要な傷病歴がある場合に、新たな保険契約を引受けできないことがあるな どの不利益事項については説明を受けていない。 」

「乗換契約は自身の意向ではなかった。解約ではなく、以前の契約を減額させたかった。 郵便局の担当者から新しい保険契約の申込みを前提として解約を勧められた。
告知が必 要な傷病歴がある場合に、新たな保険契約を引受けできないことがあるなどの不利益事 項については説明を受けていない。 」

「郵便局の担当者から新しい保険契約を申
し込むために解約等を勧められた。保険契約 の申込時点で、保険契約の保障の開始日の前に発病していた場合に、保険金を支払えな いなどの不利益事項について説明を受け
たかは覚えていない。申込みの際、胃がんであ ることを伝えた。」

「郵便局の担当者から新しい保険契約を申し込むために解約等を勧められた。
乗換は自 身の意向ではなく、解約した方が有利だと言われたので手続した。保険金を減額す「今般の乗換契約は、意向に沿ったもの
でない。特約の見直しのみしたかったのに、解 約しないとできないと郵便局の担当者に言われた。特約の切替えや中途付加することに ついて、郵便局の担当者から提案が
なかった。」るこ とについて説明はなかった。」

「乗換は自身の意向で行った。今後保険が変わってくるから好条件の保険がある今のう ちに新しいものに切り替えようと提案があり、
それならばと加入した。郵便局の担当者 から新契約の申込みを前提として解約を勧められた。新たな保険契約が元の保険契約と 同じ保険種類や保険期間であることは理解して
いた。保険料が高くなる、予定利率が下 がるなどの説明はなかった。 」

「特別調査委員会調査報告書より引用」

かんぽ生命の不適切な販売の内容で、不可思議な「自認」制度が、問題隠ぺいを助長する

これほどの、15万件をこえる多くの件数の不適切疑い事例があがっても、かんぽ生命には、「自認」という不可思議な制度があります。

 

かんぽ生命では、以前より、不祥事の疑いや、顧客からの聞き取りによる不適切募集の疑い案件があっても、募集員のその事実があったとい認める供述、つまり「自認」がなければ、不祥事件、不祥事故と判定されないのである。

自ら、悪事を働いた人間が素直に認めるわけがありません。

もし、不祥事件、不祥事実と認定されれば、かんぽ生命は、組織として、その不正行為をおこなった募集人に対し「募集人業務廃止」の処分ができます。

結局、本人が認めなければ「野放し状態」が放置しつづけられる制度です。

実際2018年度中をみても、日本郵便コンプライアンス室が、不適切募集を理由に、募集人調査をおこなった件数が3011件で、そのうち募集人が「自認」したのが246件、これでは、1割にも満たないわけで、のこり、2765件は、顧客がどんな申し入れをしていても、まったく無視され、募集人の処分はされなかったわけです。

NHKのクローズアップ現代で「郵便局が保険を押し売り!?高齢者に保険を、局員たちの衝撃の告白」が放映されたのが2018年4月です。

その後も、自浄作用は一切働かず、不適切販売を野放しにしたわけです。

今回の特別委員会で、直近 2 年の 2017 年度及び 2018 年度の無効・合意解除事案に絞って分析したところ、事実認定を考慮しないまま、 その8割超が「自認」が得られないために不祥事件又は不祥事故と判定されなかった事案だったという。

本来、不祥事件または不祥事故として扱うべきだったとしている具体的事例を挙げています。一部紹介します。

本来、不祥事件または不祥事故として扱うべきだったとしている具体的事例

①認知症、視覚障害等により判断能力の低下した保険契約者 (乗換契約の場合は既契約)に対して、保険契約者が理解しないままに乗換契約の不利益 事項の説明その他の情報提供を行い、乗換契約その他の契約加入をさせた事案。

②保障内容 についての保険契約者の意向を十分に踏まえないまま乗換契約その他の契約加入をさせた事 案。

③保険契約者の収入・資産の状況を確認しないまま、乗換契約等により高額な保険料支 払を要する新規契約に加入させた事案。(特別調査委員会報告書より)

先ごろの3社長の会見でも、今後は、何度も「お客様の立場で」と言っていましたが、この制度があるかぎり、問題が発生しても、募集人の「自認」がなければ、顧客の声はすべて抹殺するという制度です。

 

この制度、今後見直されるとは、日本郵政はひとことも言ってません。

 

こういうところからしっかり見直さないと、また再発して、あらたにお年寄りが罠にかかってしまう恐れは残ります。

 

かんぽ生命の不適切な販売の内容で、組織的関与はあったのか?

今回の報告書では、企業としての統治不足は指摘していますが、組織的関与は、認定していません。

では、なぜこうまで、全社的な不正が行われ、それを容認してきたのでしょうか。

今回のかんぽ生命の不適切販売では、「2年話法」なる顧客に当然不利益につながる虚偽のセールストークが横行していた。

「2年話法」とは、本来保険商品が長期契約にもかからわず、「2年契約」と偽って、不必要で顧客に不利な、解約、新規契約を繰り返させるものです。

この様な、セールストークは、先輩社員に同行して、模倣(まね)で伝わってきている。

さらに、不適切販売を行った社員を厚遇し、研修などのインストラクターの講師として、公然と自分の不適切販売の手法を紹介したりしている。

こうして、「顧客に損害を与えている行為」をしている認識が麻痺していったり、「悪いことはしていない」と自分を騙したりして、高齢者をターゲットにした虚偽による保険乗り換え契約の誘導が普通におこなわれるようになったようです。

かんぽ生命の不適切な販売の内容で、管理部門の容認姿勢が問題を悪化させた!

この様な、渉外社員を中心とする暴走も、管理者の歯止めがかかればここまで問題は深刻にならなかったでしょう。

しかし、実際は、支社の管理者も、不適切募集をして好成績をあげた募集社員を厚遇しほめたたえました。

募集員のセミナーや、「職場の勉強会」でも不適切募集で成績を上げている募集員を講師にさせ、不適切募集を容認どころか、推進していきました。

調査委員会が組織ぐるみと断定しなかったのは、社長からのトップダウンとしての指示命令は、見つけられなかったということです。

組織が全社に及んで不適切販売を容認した事実を組織ぐるみと言うのか、言わないのかはもはや、個人の主観的問題です。

私は、組織ぐるみだったと思います。あるいは、組織の雰囲気が、結果として全社をあげての不正行為をしたのなら、「半ば組織ぐるみ」くらいな控えめな表現が適当かもしれません。

報告書の中には、朝礼で、低実績者に「おまえは、寄生虫だ。」などの申告事例もありますが、組織の圧力(脅迫)で、不本意ながら不正販売行為に及んだ社員もいたはずです。

かんぽ生命の不適切な販売の内容で、忘れ去られた顧客の利益のその裏で!

リゾート

この、組織的ともいえる、かんぽ生命の不適切販売で、お年寄りを中心に多くの人たちが損害をうけました。

後、日本郵政は、丁寧に一件一件調査し、逸失した利益、不必要に発生した損害を戻す努力をしなければならないでしょう。

そうです。顧客ひとりひとりにしっかり誠意を見せ、場合によっては、信頼関係を失った顧客に対し、損のないように、返金に応じることです。

 

郵便局、かんぽ生命の社員は、顧客の犠牲のうえに、大きな利益をあげました。

かんぽ生命には、売り上げ上位者に対する表彰制度があり、3年未満の募集員で一定の成績を上げると「ルーキー・オブ・ザ・イヤー」賞があり、他、売り上げに応じて、ブルーダイアモンド優績者、ダイアモンド優績者、ゴールド優績者、ルビー優績者、パール優績者として表彰され、金一封を授与されます。

さらに、ダイヤモンド及びルビー優績者には、4泊5日の海外研修、ハワイ、オーストラリア等にご招待です。

信頼をよせたお年寄りを裏切り、それを踏み台にして、年収1000万円を超える渉外社員の一部は、生活レベルを上げ、中には、若くして新築の家を購入したりしています。

そして、不適切販売であろうが何であろうが、一度、生活のレベルを上げてしまった人間はそこからは落とせません。

また明日からも不適切販売から抜けられない負のスパイラルに陥ってしまったのです。

かんぽ生命という「受け皿」は多くの人の心を狂わせ、変えてしまいました。高齢者をだますという許されざる悪質な行為によって。

今回、参考にした特別委員会調査報告書のURL⇒⇒⇒⇒⇒「調査報告書」

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