今、8050問題が深刻の一途をたどり、50代の引きこもりが増加し、中には80代の親がなくなり、残された子供が セルフネグレクト(自己放任)に陥るほどの深刻化する例も出ています。社会がしっかりこの8050問題に向き合う必要があります。
目次
8050問題の原因とは、7040問題との関連は何か!
この8050問題の表面化するプロセスには、当初、7040問題が関連します。
7040問題が発生し、それが、おおよそ10年の歳月を経て8050問題になっていきます。
そして、日を追うごとに非常に顕在化していくでしょう。
ここで、鍵になる言葉が団塊世代です。
団塊世代とは、第一次ベビーブームが起きた時期に生まれた世代を指します。
焼け跡世代(あるいは戦中生まれ世代)の次の世代に当たり、 第二次世界大戦直後の
1947年(昭和22年)~1949年(昭和24年)に生まれ今、72歳前後の世代になります。
そして、もう一つが団塊ジュニア世代で1975年生まれから1984 年生まれを指します。
ちょうど中心が現在42歳くらいです。
この、この、70歳代の親と40歳代の子供の最も分布の大きい世代が後8年で、親が80歳、その子供が50歳になります。
その時、8050問題は、ピークの入り口に入ると予想されます。
8050問題の原因である7040問題とはそもそも何か
7040問題は日本特有の問題でもあります。
要因の一つが、人口構成のひずみです。
日本の場合、第一次ベビーブームで生まれた子供がやがて成人し、団塊世代と呼ばれ、その子供たちを団塊ジュニア世代と呼ばれました。
この二つの世代は、世代帯で比べると1.5倍から2倍の人数がいます。
そこに、この団塊ジュニア世代を襲ったのがちょうど、リーマンショックなどが原因で、就職難の就職氷河期に遭遇してしまいました。
そして、これも、日本特有の問題で、この氷河期が明けるまで、バイトやフリーターや派遣などで当座をしのいで、景気が回復してから、就活したのですが企業は、新卒者に門戸を限ってしまいました。
そこで、40代の今になるまで、正社員になれず収入も正社員の五分の一という低収入を余儀なくされました。
結果としてそれまでは、当たり前に「学校を卒業して就職し、結婚して家庭を持つ」
という人生設計が不可能になりました。
ちょうど、そのころ親の団塊世代の人たちは、徐々に60歳定年を迎え、その親の年金を頼りにして生活する団塊ジュニアも増えました。
親と同居する独身者は当時「パラサイト・シングル」と呼ばれていましたが、それから年月が経ち、働いていた親は定年を迎えて年金暮らしに突入していきます。
子供の側も雇用が不安定で、収入は伸びていない。親の年金に頼って暮らしている独身アラフォー世代も多く、なかには親の介護に追われ、共倒れしかねないケースも出てきています。
さらには親が亡くなった後、親の年金がなくなり年金が深刻な貧困に陥る可能性もあります。
8050問題の原因は引きこもりとセルフネグレクト(自己放任)
団塊ジュニア世代はちょうど就職氷河期にあたり、その後も企業の特異な採用姿勢から、 就職や転職で失敗を繰り返すうちに自信を失っていきます。
「社会から必要とされない」と思い込んでしまい自信を失い「自己否定」の感情すら起こります。
自分たちの前の世代も、後に社会に出た世代も当たり前にできていることが、自分にはできないという「あきらめ」「自信喪失」「自己嫌悪」。
そうした精神的負のスパイラルに陥って、その中には、親のもとで「引きこもり」になってしまう人が増えました。
よく、引きこもりは本人の「あまえ」から来ていると非難される場合もありますが、そのような深刻な背景が潜んでいます。
内閣府は2019年4月に初めて、自宅に半年以上閉じこもっている「広義のひきこもり」の40~64歳が、全国で推計61万3000人いるとの調査結果を出しました。
この、数字がそのまま8050問題の深刻さを表しています。
長期化する中高年のひきこもりがやがて親が80歳を超え子供も50歳を超えます。
そして親も寿命をむかえます。その時、残された子供が、面倒を見てくれる親がいなくなる
ことでせるセルフネグレクト(自己放任)での孤独死や餓死とった結末になるわけです。
セルフネグレクト(自己放任)は何か?
セルフネグレクト(自己放任)は何かを説明します。
例えば、50代でリストラされて、失業した男性がふとしたきっかけでお酒に手を出してしまう。そして、そのまま酒浸りになり、アルコール性肝障害にかかってしまう例もあります。
昨年の事です。元予備校講師で「金ピカ先生」としてタレント活動も行った佐藤忠志(さとう・ただし)さんが24日、東京都内の自宅で死去しているのが見つかりました。68歳でした。
この、佐藤忠志(さとう・ただし)さんの場合は、華やかな予備校講師時代から晩年の没落で全てを失い精神的に追い込まれセルフネグレクト(自己放任)になって昨年お亡くなりになったのです。
少し、原因のケースは特殊ですが生前時の取材記事があるため、セルフネグレクト(自己放任)がどういうものかを非常にわかりやすく記事に残っています。
かつて、私も大学受験の時、名前を存じ上げていたので大変ショックを受けました。
佐藤さんがセルフネグレクト(自己放任)で亡くなられた記事はセルフネグレクト(自己放任)を理解するにに参考になりますので、お本人のご冥福を祈りつつ参考にさせて紹介さ
せて頂きます。
「「金ピカ先生」孤独死…元人気予備校講師、佐藤忠志さん68歳で」
8050問題の原因は引きこもりとセルフネグレクト(自己放任)の深刻化の現状
就職氷河期世代で、非正規でずっと生きてきた人も多く、職場の人間関係も乏しい。
金銭的に苦しいため、結婚もできない。
まさに、この人たちは孤独死予備軍になる可能性があります。
。さらに、内閣府の調査で70万人といわれる引きこもり(予備軍は155万人)も、すでにセルフ・ネグレクトと言えるケースもあるだろうし、身の回りの世話をしてくれる両親がいなくなったときに、セルフ・ネグレクトから孤独死に陥るケースが考えられます。
この様な例があります。
大阪府内にある一軒家に住む加藤純夫さん(仮名・50代後半)は、数年前に死体遺棄の疑いで逮捕されました。
殺人を犯したわけではないが、同居していた父親が病死した後も、役所への届け出など適切な対応をせず、およそ二年間、遺体を放置していたのです。
今後8年後の団塊世代人口ピークが80歳を迎えるころこのような事件が増加するでしょう。
8050問題でののもう一つの老々介護
通常老々介護は、高齢の夫婦がどちらか一方を介護することを言いますが今後はもう一つの「老々介護」が問題になります。
例として、 年老いた親が、中高年になった子の面倒をみなければならない現実です。
例えば、千葉県内のデイケア施設職員の証言があります。
「利用者の80代の男性宅にお迎えに行くと、働いていらっしゃらない50代の息子さんがいました。最初は玄関先までお見送りに来られたりもしていたのですが、そのうち姿が見えなくなった。
利用者の男性は『息子がうつ病になった』と悲しんでおられて、施設から帰った後は息子さんの面倒をみていたそうです。
“老老介護”(※65歳以上の高齢者を65歳以上の高齢者が介護する)なんて言葉が取り沙汰されるようになりましたが、元気な高齢者の親が、高齢者のお子さんを介護するという
例は今後増えていくでしょう」(デイケア施設職員)
この場合は、高齢の親が、初老のうつ病の息子を介護するパターンですが団塊ジュニア世代は経済的理由で未婚者が多いので、団塊ジュニアの子供が親を介護する老々介護も増えてきます。
まとめ
今回は、「8050問題の原因は、引きこもりとセルフネグレクト(自己放任)の深刻化です。」というテーマで、今後さらに」深刻化する8050問題と、その前段階の7040問題との関連や原因、そして、引きこもり、セルフネグレクト(自己放任)についてまとめました。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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