スーパースプレッダーとはどんな意味か、どんな体質の人がなりやすいか、どれほどの危険があるか、今回の武漢発の新型コロナウイルスでは、スーパースプレッダーが発生しているかの状況を、わかりやすく解説します。
目次
スーパースプレッダー(毒王)とは、意味をわかりやすく言うと
スーパースプレッダー(毒王)とはどんな意味か、分かりやすく言いますと、スーパースプレッダー本来の言葉意味は、「とびぬけて強烈にまき散らす人」という意味です。
また中国では、「毒王」と呼んでいます。
やはり、ウィルスを毒といいかえて、ウィルスを持った最強のひと(王様)からそう呼ばれたと考えられます。
このスーパースプレッダー(毒王)の定義ですが、一人で多くの人にウィルスを拡散して
ばらまいてしまうひとを言います。
アメリカCDC・MMWRの定義では、一人で10人以上への感染拡大の感染源となった患者
がスーパー・スプレッダーと定義されています。
スーパースプレッダー(毒王)とは、どんな体質の人がなりやすいか
スーパースプレッダー(毒王)とは、どんな体質の人がなりやすいかを説明します。
実際はといいますと、まだ明確には研究が進んでいませんが、免疫力の強い人で、ウィルスに感染していても、免疫力が高いがために発熱などの症状が出ない人です。
感染状態でも、元気なため、動き回ってしまい、その結果多くの人に感染をさせてしまいます。
スーパースプレッダー(毒王)の過去の例
2003年SARSでは、中国でスーパースプレッダー(毒王)の過去の例が紹介されています。
海鮮卸業を営んでいた中国人Aは、5日ほど咳と熱が続いていて、ついに倒れてしまい病院へいきます。
そして肺炎だと診断はされたが、恐ろしいウイルスに感染しているとは誰も気づかず隔離されることもありませんでした。
その後Aの容体は、悪化していき、やがて呼吸器の専門科がある別の病院へ移されました。
それから4日して、最初に入院した病院で異変が起きます。
Aを担当したスタッフが高熱、咳、呼吸困難などの症状を発症し、30人以上のスタッフが倒れてしまいました。
そして、その中で、Aを運んだ救急隊員一人が死亡しました。
転院したさきでAはようやく隔離されたが、ここでも、次々と倒れていきました。
その上、Aにはどんな治療も効果がない状態。
やがてAは密かに「毒王」と呼ばれるようになります。
実はAは、感染病を広げてしまう体質の患者スーパースプレッダー(毒王)だったのです。
SARSの時は、ウイルスを1人で10人以上に感染させた患者スーパースプレッダー(毒王)
と呼びました。
さきほどのAが最初に入院した病院に、腎臓内科医の医師Bがいました。
熱や咳の症状が出たリュウ医師は、自ら検査をしたが特に異常はなかったのですが、すでに彼はすでにSARSに感染していました。
それに気づかず、医師Bは恐ろしい行動にでてしまいます。
なんと親戚の結婚式に出席するため、香港に出かけてしまうのです。
結婚式場がある香港へは、広州から特急で当時およそ2時間。
医師A夫婦は香港メトロポールホテルにチェックインし、エレベーターに乗ります。
そこに乗り込んだのは、香港の空港で働く26歳の青年。
このホテルに滞在する友人に会いに来ていました。
そして、その日の夜、このホテルの部屋で、医師Bの容態が悪化しました。
この時、SARSウイルスは医師Bの体の中で急激に増殖していまし。
翌朝、結婚式には出ず病院へ向かった医師B。
そこへ、チェックアウトする2人が現れます。
カナダのトロントから来ていた中国系カナダ人の老夫婦でした。
夫は忘れ物を部屋に取りに戻り、妻だけがエレベーターへのることに。
エレベーターには、すでに若い女性が乗っていました。
シンガポールから観光に来ていた3人組だったのです。
さらに中国系アメリカ人のもエレベーターへ。
上海からベトナムのハノイに向かう途中、香港に立ち寄っていました。
この時、全員が感染しました。
さらに、前日にエレベーターで会った空港職員の青年も合わせ、感染者は7人。
しかも、そのうちの4人がスーパースプレッダー体質だったのです。
こうして誰1人、自覚のないままSARSウイルスは世界中に広がり、感染者は爆発的に増えていくことに。
保菌者として腸チフスを拡散した「腸チフスのメアリー」が有名で、彼女は家政婦として給仕した家族に腸チフスを感染させ、その生涯を通して50人前後の感染者や死者を出したといいます。
「腸チフスのメアリー」は長期間にわたって感染を拡大させたが、単回の接触で多くの患者にウイルス感染を拡げてしまうホストもスーパー・スプレッダーです。
例えば、韓国ではMERS感染の83.2%が5件のスーパー・スプレッダーから蔓延したとされています。
スーパー・スプレッダーのリスク因子は明らかにはなっていないが、宿主・病原体・環境要因が関連しており、さらに宿主の行動が重要ではないかと推察されています。
2015年のMARSの勧告での大流行もスーパースプレッダー(毒王)が原因とされて
います。
スーパースプレッダー(毒王)とは、どれほどの危険があるか
他人にウイルスや細菌を感染させやすいスーパースプレッダー(毒王)は、科学者の推計によると、人口の約20%がスプレッダー(毒王)体質と言います。
そのスーパースプレッダー(毒王)が、感染症の感染源となる割合は約80%に達するといいます。
つまり、感染者の8割はスーパースプレッダー(毒王)からの感染ということになります。
そして、症状が出ないため、今回も、武漢からの帰国した日本人で、検査を拒否した
人が2名いたようですが、スーパースプレッダー(毒王)は自分自身でも自覚がありません。
当然、いつも通りの生活をすることになります。
周りも咳もしていないので警戒もしません。
そんなスーパースプレッダー(毒王)がマスギャザリング(人混み)に入り込めば一気にウィルス拡散が起きます。
つい最近では、アメリカでカリフォルニアのディズニーランドから「はしか」が感染し
全米に拡散しています。
これも、急速な拡大の規模・速さから見てスーパースプレッダー(毒王)が存在したでしょう。
スーパースプレッダーは、今回の武漢発の新型コロナウイルスではどんな状況か
今回の武漢発新型コロナウィルスでは、武漢から来た中国人観光客を乗せたバスの運転手と
バスガイドが感染しています。
感染源の中国人約30人も観光客を乗せたバスの運転手とバスガイドも自覚症状がないまま、潜伏期間中に通常の行動をしています。
実際このバスツアーは、東京、山梨、大阪の観光地に立ち寄り、感染したバスガイドは、
潜伏期期間中に新幹線まで乗っています。
また、途中おそらく高速道路のSAにも立ち寄ります。
危機を感じた大阪府は、このツアーが大阪で立ち寄った場所を公表しました。
ですが、東京、山梨は公表していません。
また、最初に発症したバスの運転手の日本人男性も、家族、や医療従事者18人を
濃厚接触者として厚労省は状況を注視しています。
現段階では、中国の拡散状況をみてもかなり急速で、さらに、SARSのときよりも
日本に来る中国人は20倍に増えています。
そして、日本政府の対策はすべて後手後手で、そして、いち早く、箱根で土産物店を経営する店主が「中国人おことわり」という行動に出たら、猛烈なバッシングが起き、学者までが批判のコメントを投稿するありさまでした。
自己を防衛することでさえ、気兼ねがいる社会では、まさに、考えが甘いというしかありません。
日本でもすでにスーパースプレッダー(毒王)が複数人存在している可能性は強そうです。
まとめ
今回は、「スーパースプレッダー(毒王)とはわかりやすく解説」というテーマでスーパースプレッダー(毒王)について、わかりやすくまとめてみました。
今後、日本において新型肺炎を封じ込めるには、一人でも多くこの、スーパースプレッダー(毒王)の存在をしり、自覚症状が無くても、自分が感染源になりえるし、また、感染させられることもあります。
あの、武漢からのチャーター便で帰国し、検査を拒んだ二人の日本人のような無思慮な行動をしないように、新型ウィルスについて意識を高めていただければ幸いです。
今回は、最後まで読んでいただきありがとうございました。
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