2020年7月よりレジ袋が強制的に有料化になります。その関連で、国は「ナッジ手法」を使いコンビニなどの店舗での「レジ袋」削減の実験を行います。その効果が実証できれば
「レジ袋有料化」実施のときに、有料化されたレジ袋の価格などで反映されればよいと思います。
目次
レジ袋削減に使われる「ナッジ手法」とは
レジ袋削減に使われる「ナッジ手法」とは、リチャード・セイラー教授が生み出した手法で
この理論により2017年にリチャード・セイラー教授はノーベル経済学賞を受賞しています。
リチャード・セイラー教授が提唱する「ナッジ」とは、人間はある状況下で、「正しい判断」を行わずに、非合理的な思考をしてしまうという人間の持つ「人間の非合理性」のことです。
ここで使っている「正しい判断」というのは、バイアスがかかっていない状態で、選んだであろう選択肢をいいます。
この「ナッジ手法」は、人間の持つ、誘惑に弱い、損をしたくない、現状維持を好むなどの性質を利用しバイアスをかけることで、つい不完全な選択をしてしまうこてです。
ナッジ(nudge)とは、もともと「ヒジで軽く突く」という意味で、科学的分析に基づい
て人間の行動を変える手法です。
例えば容量の多いグラスに酒を入れて出すと、人間は、本当に飲みたい量以上に飲んでしまうという傾向があります。
この場合のバイアスは、容量の大きいグラスで、本来適量であるはずの飲酒量が「正しい判断」です。
そして、容量の大きいグラスというバイアスで、人間は自分の自由意思で、たくさんの飲酒をしてしまいます。
この例でもあるように「ナッジ」はビジネスで多くの効果が実証され、多方面で利用されています。
レジ袋削減に使われる「ナッジ手法」ナッジ手法を利用した実用例
1999年にオランダのアムステルダムのスキポール空港で、この「ナッジ手法」を使い
トイレの清掃費の削減に成功した例があります。
清掃経皮経費削減のため、男子トイレの床の清掃費が多いことに着目して、小便器の内側に一匹のハエの絵を描いた。その結果、なんと清掃費は8割も減少しました。
これは、「人は的があると、そこに狙いを定める」という分析に基づいて、小便器の利用の仕方を人間の自由選択で改善させたわけです。
こうして、アムステルダムの小便器のハエは「ナッジ」の最も有名な成功例となりました。
レジ袋有料化でナッジ手法を利用した試みとは
経済産業省や財務省が行うレジ袋有料化でナッジ手法を利用した実験の方法は、レジ袋が必要か不要かを客がカードで提示します。
もちろん自由意思で客はどちらかを選択します。
そして店舗ごとに違うデザインや記載内容のカードを置きどのカードが一番レジ袋の使用を削減する効果があるかを試します。
3週間ほどの期間で実施予定で、そのカードには、環境保全に関心が高まるようなデザインや文言を記載します。
あくまでも、客の自由意思で、レジ袋が削減できないかという試みです。
ことし、2020年7月から、全国の全店舗対象にして実施される「レジ袋」有料化はすこし、唐突的な意見をもたれるひとも多く、環境保全の目的趣旨は理解してもレジ袋がない不便さには不満をもっている人も多いのが実情です。
2020年7月から実施される「レジ袋有料化」の制度で、今回の「ナッジ手法」の効果で、レジ袋の料金をある程度の適切な価格でも、使用量が減少でき、環境保全が進めばいいのではないかと思います。
まとめ
今回は、「レジ袋有料化でナッジ手法を利用した試みの効果は?」というテーマで2020年7月より実施される「レジ袋有料化」に関係する情報をお伝えしました。
このナッジ手法をうまく活用することで、コンビニ利用者にもストレスなく「レジ袋有料化」が浸透すればナッジ手法の一つの成功例になるかもしれません。
レジ袋有料化は、なかなか、環境保全という大義名分だけでは納得できない部分もあります。そういう意味でもナッジ手法に期待するところです。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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