アメリカとイランの一触即発の危機は、アメリカトランプ大統領の選挙やイランの国内事情
などで、いったん沈静化したが、一つの大きな火種を残す結果となりました。それは、イスラエルのイランに対する攻撃の可能性の危機をもたらています。
目次
アメリカ、イランの紛争軍事衝突で後に残したもの
今回のアメリカ・イランの軍事衝突を決定的にしたものが、年明け直ぐの行ったアメリカのイラクのバグダッド空港を空爆で、イランのイラン革命防衛隊(IRGC)の精鋭部隊「コッズ部隊」のガセム・ソレイマニ司令官の殺害から始まりました。
イランにしても、ソレイマニ司令官は、イラン国内では国民的英雄ともいわれ、またイラン最高指導者ハメネイ師の腹心とも呼ばれ、当然ながら反撃をしました。
トランプ大統領は今年、大統領選挙をひかえています。
そんな中、NATOなどの同盟国やアメリカ国内でも、ソレイマニ司令官の暗殺には支持が思っていたほど集まらず、アメリカのソレイマニ司令官に対するネガティブ情報操作も
失敗しました。
例えば、ソレイマニ司令官の911同時多発テロのときの犯人説まで出しましたが、これには誰も信じなかったくらいです。
イランも国の存亡をかけてまでアメリカと戦争するリスクまでは考えず結果として現在は、いったん自体が沈静化しています。
だだ、ここはイランの外交駆け引きの上手いところだったのですが、このドサクサで、イランに対しる経済制裁を解かなければ、「今後イランのウラン濃縮の制限値設けない。」
と宣言しました。
この「イランの無制限のウラン濃縮宣言」が今後大きな問題になります。
「イランの無制限のウラン濃縮宣言」は、イランの核兵器保有を結果として許すことになるからです。
これは、イスラエルにとっては黙ってはいられない事態です。
アメリカ、イランの今後の展開とイスラエルとの関係
アメリカ、イランの今後の展開を予想してみます。
アメリカは今回の停戦に当たって、さらなる経済制裁を強化しました。
ただし、このさらなる強化された経済制裁は、イランの致命傷にはならないでしょう。
また、アメリカが経済制裁が持久戦のスタンスで長期的にイランにダメージを与えたとしてもイランはその間にウランの高濃度凝縮を進め、核兵器開発を進めてしまいます。
当然、トランプ大統領は、この事態を理解しつつも大統領選にマイナスに働く戦争には踏み込めないでしょう。
もちろんその間、イスラエルはアメリカに圧力をかけ続けます。
そこで、可能性として、出てくるのが今年夏の大統領選後です。
大統領選にトランプ大統領が再選された場合、イスラエルと家族が血縁的にもつながりがあるイスラエルの意向も踏まえイランに対する軍事行動にでる可能性があります。
現に、以前にもトランプ大統領は、歴代大統領が絶対にしなかったイスラエルの首都を「エルサレム」にするという火薬庫に火を投げ入れるような決定すらしています。
大統領にもしトランプ大統領が落ちた場合は、新大統領が、イランに対し、選挙公約をどう主張するかによっても、変わってきます。
イスラエルのイラン攻撃の可能性が高まった理由
イスラエルは、イランの核開発は、なにがあっても阻止しようとします。
今までもそうだったように。
イスラエル国家は、ユダヤ教の宗教国家です。
そして、イスラエルの周辺の国家はすべてイスラム教国家あるいはISのような武装集団もイスラム教です。
イスラエルは公式には認めていませんが核兵器を所有しています。
イスラエルは、今の中東でイスラム国家のど真ん中でユダヤ教国家が生き抜くためには、イスラエルだけが核兵器を所有することで、軍事的バランスが取れていると考えています。
そこにイランの核兵器所有が実現すれば中東の軍事バランスが一気に崩れ去るとイスラエルは考えます。
今回のアメリカ、イランの軍事衝突でもイランは攻撃対象にホルムズ海峡とイスラエルを名指しで宣言しています。
イランの核兵器がもし開発実現されればその核ミサイルはイスラエルに向けられると誰より明確にもイスラエルは考えています。
したがってアメリカの大統領選後の軍事行動がもしなければイスラエルは、イランへの単独攻撃もあり得ます。
もちろん、その時、陰でアメリカが援護するのは当然でしょう。
歴史的にみても、以前にもイスラエルは、イランの核施設へのジョット戦闘機による攻撃を行って核兵器施設を単独攻撃したことがあります。
ただ、現状のイランの核施設は、その時よりは空爆に対しる対策がとてていると見られ
以前のように、一度の戦闘機からのミサイル攻撃では破壊できない可能性もあります。
その時は、イランとイスラエルの正面衝突もあり得ます。
イスラエルと過激派組織「イスラム国」(IS)との関係
1月27日過激派組織「イスラム国」(IS)がイスラエルに対し声明を出し「カリフ国家の兵士らの視線はエルサレムへ注がれている」と主張してイスラエルへの攻撃を警告しました。
また、今後数日の間に、これまでの恐怖を忘れるような危害を目の当たりにするだろう」と予告。
昨年10月に死亡したバグダディ容疑者の後継で新たに最高指導者となった「アブイブラヒム・ハシミ氏」の呼び掛けとして、世界中のイスラム教徒に対して「ユダヤ人と戦い、
ユダヤ人がイスラム教徒から盗んだものを奪還する」よう呼び掛けてます。
ここで言っている「ユダヤ人がイスラム教徒から盗んだもの」のなかの一つに聖地エルサレムが入っているでしょう。
今過激派組織「イスラム国」(IS)以前ほど勢力は衰えましたが、ゲリラ戦で対抗されれば
また多くの人の命が奪われます。
今後、イスラエルのイラン攻撃も含め中東情勢は目をはなせなくなるでしょう。
今回は、「イスラエルによるイラン攻撃の可能性高まる。理由はアメリカのイラク空爆に始まっている。」といテーマで一時は沈静化していますが、今後も中東情勢は不安定化を増すことと、イスラエルのイラン攻撃の可能性をまとめました。
最後まで読んでいただきありがとうございました。