オーストラリアの山火事が日本の暖冬の原因説が今、有力に考えられています。昨年2019年より発生したオーストラリアの森林火災は、オーストラリアの全森林の2割は焼き尽くしました。この火災は半年以上も燃え続け、異常気象をもたらしているという説がインド洋熱帯域の海水温度差によって発生する「ダイポールモード現象」です。そして、「ダイポールモード現象」原因で2020年冬の日本の暖冬の原因になっていると考えられています。ダイポール現象とは何か、「ダイポールモード現象」の名前の由来と発見者は?「ダイポールモード現象」による世界的異常気象。東アフリカの豪雨、バッタの発生、食糧危機への影響。オーストラリアの森林火災への影響などのついて詳細です。
目次
「ダイポールモード現象」とは何か
「ダイポールモード現象」とは、インド洋で発生するもので、大気と海洋が関わってインド洋西部の海水温度が上昇する自然現象のことです。
赤道付近のインド洋の東西の水温差によって、世界的に大規模な異常気象をもたらします。
インド洋の「エルニーニョ・ラニーニャ現象」ともいわれ、通常夏の終わりから秋にかけて数年に1回に頻度で発生します。
この現象は、赤道付近に一年を通して吹く東からの貿易風ね変化から始まります。この東風が何らかの影響で強まると、海面近くの温かい海水が西側に吹き寄せられる。
一方東側では、強風で海水面が冷やされます。
さらに、流された海面近くの水を補うように、深海から冷たい水が上昇してくることなどによって低温となります。
ちなみに2019年の赤道付近のインド洋の東西の水温差は、11月がピークで最大2度程度の差が出て、過去最高レベル。そして3年続けて発生しています
「ダイポールモード現象」の名前の由来と発見者
「ダイポールモード現象」は、1990年東京大学教授山形俊男氏によって発見されました。
ダイポールとは、電磁気学などで使われる言葉で「双極子」と呼び正と負の符号があり、インド洋周辺の気象で言えば正の場合が、今回の場合の様に西が高温になり、東で低温になります。
負の場合はそれが入れ替わります。
つまり、東が高温になり西が低温になります。
「ダイポールモード現象」による世界的異常気象とは
「ダイポールモード現象」による世界的異常気象の具体的影響について説明します。
東アフリカの豪雨、バッタの発生、食糧危機への影響
この「ダイポールモード現象」による水温差は、上空の大気に変調をもたらします。
高温となったインド洋の西側は、海面から蒸発が盛んになり対流活動が活発になります。
そのため、アフリカ東部のケニアなどで豪雨被害が起きます。
豪雨は、生物にも影響を与え大量のバッタが発生し、農作物を食い荒らして食糧危機の恐れも出てきます。
そして、2020年には、中国大陸でのバッタの大発生が懸念されています。
オーストラリアの森林火災への影響
「ダイポールモード現象」により冷やされたインド洋の東側では、西側の上昇気流が下降してきて高気圧が強まります。
その結果雲ができにくく晴天続きとなります。そして、インドネシア、やオーストラリアなどに熱風が吹きだす原因となります。
そして、昨年来、発生したようなオーストラリアの大規模森林火災が発生します。
オーストラリアの2019年の年平均降雨量は、平年の4割、平均気温も1.52度上がりました。
そしてオーストラリアの森林火災は、南部のニューサウスウェールズ州とビクトリア州だけで約580万ヘクタールが焼失しました。
これは、オーストラリアの森林面積の五分の一に当たります。
日本の暖冬への影響
「ダイポールモード現象」は、発生時には通常、北半球の夏から秋にかけて最も強まります。
2018年の日本の猛暑もこの「ダイポールモード現象」が原因したと見られています。
そして、2020年の暖冬に関しては、冬には、本来終息しているはずの現象が、1月中旬頃まで続きました。
それが、今年の暖冬の原因になった可能性があります。
今年の、日本のの暖冬は北陸地方では雪不足でスキー場の倒産まで招いたほど深刻でした。
まとめ
今回は、「オーストラリア山火事,日本の暖冬の原因は【ダイポールモード現象】説!」というテーマでお送りしました。
最後までご覧いただきありがとうございました。
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