地球温暖化問題対策の切り札として、国連に子供まで登場。名前がグレタ・トゥーンベリです。今彼女にノーベル賞候補の声があがっているほど有名になりました。そして、最近、ドイツの気候変動の現実主義者のナオミ・ザイプト(Naomi Seibt)がグレタ・トゥーンベリに対抗するかのように現れました。ナオミ・ザイプトは、地球温暖化懐疑論に近い立場で温暖化論者に対し「怖がらせないで」と主張しています。彼女は、数学物理が得意な19歳の少女です。この二人の登場で、地球温暖化の議論が今後高まるでしょうか?
目次
そもそもの地球温暖化脅威論
そもそもの地球温暖化脅威論はそんなに昔の話ではありません。
地球温暖化脅威論の 発端は1988年
NASA(米航空宇宙局)のハンセンは、1988年の議会証言で地球温暖化について警告し、この問題に初めて世界の注意を促しました。
「人為起源CO2が地球を暖めている」という地球温暖化説は、1988年国連傘下の組織「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)」が報告書で改めて指摘。
報告書は、温暖化を自明の事実とみた上、「温室効果ガスをこのまま大気に排出し続けると、生態系や人類に重大な影響を及ぼす気候変動が進む」と警告しました。
この直後から、科学的賛否の議論は起こらず一気に政治問題化しました。
しかし、地球物理学者をはじめとして地球温暖化問題をを懐疑的にみている学者は多いようです。
その後の、世界各国の地球温暖化対策の取り組み
1997年12月、地球温暖化に対する国際的取り決めのための会議COP3が京都で開かれました。
ここで決められたのが京都議定書です。
京都議定書は先進国に、「2008~2012年に温室効果ガス(二酸化炭素、メタン、一酸化二窒素、フロンなど)を1990年比で約5%削減」を要求しました。
このとき、国ごとの排出削減目標として、EUは8%、アメリカは7%、カナダと日本は6%の削減を課せられました。
日本は排出量取引などの「数字合わせ」で目標を達成します。
ですが、アメリカは2001年3月末に議定書から離脱。
カナダも2007年4月に「6%削減の断念」を発表し、2011年12月に離脱を表明。
国連の意図は、温暖化問題を口実に、先進国から途上国への財政支援を促すことにあった。
京都議定書の中で中国は、排出削減義務のない「途上国」に分類された。
中国は、1980年代の排出量は少なかったが、今では日本の8倍もCO2を出して世界最大の排出国になっている。
この中国は野放しになっています。
2015年12月には、地球温暖化対策の新ルール「パリ協定」が発効しました。
京都議定書が先進国だけに温室効果ガス削減を求めたのに対し、パリ協定は途上国を含むすべての締約国が対策を実施することとなりました。
ただし、今なお「途上国」に分類される中国は、「2030年まで実質的な排出削減はしない」という趣旨の発言をしています。
日本の8倍もCO2を出している国中国は、やはり野放しです。
一方日本は、2013~30年の18年間で、CO2を13年度比で26%削減目標。
その内訳は『エネルギー起源CO2』が21.9%、『その他温室効果ガス』が1.5%、『吸収源対策』が2.6%)の削減を目標に掲げています。
気候変動の現実主義者ナオミ・ザイプトの登場で地球温暖化議論のきっかけに
今まで少なくとも日本では、政府もマスコミも地球温暖化問題ありきでした。
ここ日本では、マスコミで温暖化懐疑論者も出てこなかったし、全く議論がなされず、膨大な補助金がだされ、もはや温暖化利権が出来上がっています。
ここにきて、気候変動の現実主義者のナオミ・ザイプトの登場は、日本や世界に
温暖化問題の議論が巻き起こるきっかけになるでしょうか?
ナオミ・ザイプトは、クレタ・トゥーンバーグの「パニックになってほしい」に対して、
「パニックになってほしくありません。考えてほしいです。」と訴えています。
地球温暖化懐疑論
そもそも人為起源CO2を温暖化の主因と見る前提そのものが疑わしいという意見が専門家の中にもあります。
著書に『「地球温暖化」狂騒曲』(丸善出版)と訳書『「地球温暖化」の不都合な真実』(日本評論社)がある東京大学名誉教授の渡辺正氏の主張を紹介します。
気温が上がっているのは 都市部
しかし、そもそも地球の気温と大気中のCO2濃度に相関関係はほとんどない、と東京大学名誉教授の渡辺正氏は主張しています。
渡辺教授は、次のように述べています。
「地球温暖化脅威論者は、『気温上昇の主因は人為的CO2の増加』と主張しますが、いろいろな気温データを見るかぎり、とてもそうとは思えません。
人為的なCO2の排出が激増したのは1940年代以降ですが、過去150年ほどの気温は、1940年代より前にも、昇降を繰り返してきました。
つまり地球の気温を変える要因として、人為的CO2以外(主に都市化と自然変動)が随分大きいのです」
「たとえば、1910~40年には最近とほぼ同じ勢いの昇温が起きたし、1940~70年代の地球は寒冷化し、氷河期の再来を警告する科学者が随分いました。それだけでも、CO2と地球温暖化の相関関係は小さいとわかります」
年配者は、「子ども時代の夏はもっと過ごしやすかった」と語る向きも少なくない。しかし渡辺氏によれば、それは主に都市部で起きた現象にすぎず、非都市部(田舎)には気温がほぼ横ばいの場所も多いといいます。
「走行中の乗用車1台は30キロワットのヒーターですから、これほど車が増えた東京なら暑くなって当然。
また、東京の気温は100年以上、大手町のビル街、気象庁の構内に置いた1本の温度計で測ってきました。ビルの建設が風通しを悪くし、周囲を走る車も増えたため、温度計の読みが上がっても当然です。
その証拠に、2014年の暮れに温度計を北の丸公園へ移したところ、年平均気温が1.4℃も下がりました。同じ東京都でも、三宅島の気温はほぼ横ばいですから、やはり都市化の寄与はそうとう大きいでしょう」
「ちなみに、種々の世界気温データを総合すると、温暖化が問題にされ始めた1988年から30年余の温度上昇はせいぜい0.3℃しかなく、10年あたりなら0.1℃です。体感もできないその昇温が、異常気象を引き起こすとは思えませんね」
と述べています。
この渡辺教授の考えは、そもそも、太陽活動は活発な時とそうでないときがあって絶えず地球の気温は変動している。
全てが、CO2排出による人為的な原因で温暖化が起こっているわけではないというもの。
考えてみれば、この先、多少地球が温暖化しても、地球上の生命種の絶滅はほとんどないでしょうが、地球が歴史的に何度か見舞われた寒冷化は、生命が生存できない環境がやってきます。
それで、今の温暖化問題を「真冬の前の小春日和」と例える物理学者もいます。
CO2増加は 食物や緑を豊かにする
さらに、渡辺教授は次のように言います。
「大気中のCO2増加と地球温暖化にきれいな相関がないのは、素人目にも明らかだ。メディアはCO2を悪者扱いにするが、CO2増加のメリットは計り知れない」
「植物は光合成でCO2を物質に変えます。少し考えてみればわかるとおり、私たちの食卓に上るもののうち光合成と縁がないのは、水と食塩の2つだけ。
増えるCO2が植物の生育を促す結果、作物の収量が増えて緑化も進み…と、いいことずくめです。
そのプラス面をメディアがまったく報じないのは不思議ですね。脅威論を叫ぶ人々も、この話には口をつぐみます。到底科学者とは思えません」
実際ここしばらく、農作物の収量は全世界で増え続けている。米国農務省が発表したデータでも、2000年度に18.5億トンだった世界の穀物生産量が、2019年度には26.6億トンまで増えた。
もちろん農耕技術や肥料、農薬などの進歩も大きいとはいえ、大気に増え続けるCO2がかなり効いていると考えてもおかしくはない。
北京大学の朱再春ほか31人が2016年4月の『ネイチャー・クライメート・チェンジ』誌に出した論文によると、1982~2012年の32年間に及ぶ衛星観測の結果、「地球全体で植物の量は10%ほど増え」、「緑を増やした要因のうち、大気に増えるCO2がほぼ7割と推定される」という。
植物にとっては、CO2をエネルギーに変えているのでCO2は大切なエネルギー源なんですね。
地球の大気中の二酸化炭素濃度は、昔はもっと多く、ここ10億年で1000分の1に減少しています。
このまま減り続けたら植物が生きられないという理屈もなり立ちます。
もう一人別科学者の意見もご紹介します。
中部大学武田邦彦教授の意見です。
地球温暖化詐欺_武田邦彦 地球温暖化の不都合な真実
温暖化対策は、竹やりでB29爆撃機に立ち向かうようなもの
日本政府は今後100兆円を温暖化対策に使っても 効果は微々たるものです。
日本政府は温暖化対策の名目で現在、国税・地方税などもろもろ合わせて年間5兆円以上も使っているといいます。
渡辺教授は言います。
「CO2地球温暖化説は、妄想やファンタジーです。
研究者の内輪話なら何も言いません。けれど、CO2削減策だと称し、京都議定書時代の2006年から、パリ協定時代の2030年へと至る25年間に、日本は100兆円も使うことになるのです。
その100兆円には、2012年の民主党政権が導入した『再生可能エネルギー発電促進賦課金』が40兆~50兆円ほど含まれます。
家庭が払う電気料金の約1割に上り、昨年の実績だと年2兆8000億円に上りました」
「世界の3.5%しかCO2を出さない日本が、人間活動による21.9%を減らした場合、0.15℃×0.035×0.219という計算から、たったの0.001℃しか地球を冷やさないわけです。むろん、気温上昇の大部分が都市化や自然変動のせいなら、その0.001℃すら過大評価だということになりますね」
「年間の国家予算に近い100兆円という大金のムダづかいを国民が認識するようになれば、地球温暖化騒動も幕引きに向かうのではないだろうか」。
「要するに温暖化対策は、竹やりでB29爆撃機に立ち向かうようなもの。いや、それだけなら笑い話で済みますが、巨費を防災や感染症対策など大事な用途に回せなくなるわけだから、勢い余って竹やりで戦友を刺し殺すような自滅行為、というのが素顔ですね」
と渡辺教授は指摘します。
今のところ、アメリカ、中国は、温暖化対策を行いません。
日本が国家破産までして頑張っても温暖化問題は効果なしという所でしょうか。
ここで、ナオミ・ザイプトの主張です。彼女は、「パニックになってほしくありません。考えてほしいです。」と言っています。
いま、日本人は、異常なほどの予算を温暖化対策に使おうとしています。
日本人は、静かなパニックに陥っているかもしれません。
まとめ
今回は、「地球温暖化懐疑論とナオミ・ザイプトの「反グレタ」論」という内容でお送りしました。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
なお関連記事もご覧ください。
「クレタ対抗勢力ナオミ・ザイプト登場で温暖化「警鐘派」と「懐疑派」の代理戦争」