かんぽ生命の不適切な販売では、顧客の信頼を裏切るような既存の保険から不利な契約へ乗り換えなどが起きた。原因は組織な過剰ノルマが原因だったといわれます。なぜあれほどのマンモス企業が過剰ノルマ体質になったのかを探ります。
目次
かんぽ生命の不適切な販売が起きた原因は、過剰なノルマ体質だった。!
かんぽ生命の不適切な販売が起きた原因は「過剰なノルマ体質」といわれる。
もはや組織の上から末端まで、ノルマ至上主義に陥ってしまったのである。
それで顧客の立場に立った経営が行われなくなってしまったようです。
その結果が、かんぽ生命の保険期間を2年と偽り、既存の保険を必要もないのに解約させ新たな保険を結ばせたり、保険のかけ替えで 不利な契約へ乗り換えを顧客には有利だからと偽りを言って契約させていたことにつながって来ています。
このウソを前提にした販売は、そして顧客に不利益を及ぼす販売が、組織内では黙認されていました。
この事実を、裏付けたのが、2019年12月に公表された「第三者調査委員会による報告書」です。
第三者委員会による募集人ヒアリングによれば、「金融渉外部長等の管理者等の一部には、自局内の一部の保険 募集人(特に高実績者)によって不適正な募集が行われていることを認識していながら、自 局又は支社の営業目標を達成することを優先して、当該保険募集人に対して募集品質に関す る実効的な指導を行わず、むしろそのような高実績者を厚遇する傾向が見られた。」と報告書には書かれています。
かんぽ生命の管理者が黙認もしくは認諾(厚遇)していたという、とんでもない事実であります。
また、特に、自 局に課された営業目標の達成について高実績者の販売実績に依存している場合、このような 高実績者の一部は、その局内において上長である金融渉外部長以上の発言力や影響力を有するようになったとある。
不正をしてでも実力のある人間が幅を利かす組織だったみたいです。
さらに、第三者委員会による募集人ヒアリングによれば以下の記載があります。
支社の課長が、管内の郵便局を巡回し、朝礼等の機会に社員全員の面前で、低実績者に 対し、名指しで責めたり、『お前は寄生虫だ。』などと叱責したりということがあった。
これ が原因で、精神的に追い詰められている社員もいたし、実際、その場で泣き出す女性社員や、 それを理由に退職した女性社員もいた。
不適正募集をした人の中には、そのような仕打ちを されるのが嫌だったという動機の人もいたと思う。」(保険募集人経験者)
「私が不適正募集を行ったのは、金融渉外部長からのプレッシャーが大きかったためであ った。販売実績額が目標額に達していないと、帰宅後も休日も、常にそればかりに思考が奪 われてしまい、夜も眠れなかった。
金融渉外部内で週1回開催する営業推進会議では、私を 含む各班長が、自らが受け持つ班の、前の週の販売実績とその週の営業目標とを発表していた。
私は、前の週の販売実績が営業推進目標を下回ると、金融渉外部長から『何やっていた のか。土日休んで平気だったのか。(実績が目標額に)行かない分、どうするんだよ。』など と詰問された。」(保険募集人)
「今から数年前までは、支社が主導して低実績者に対する厳しい研修を行っていた。例え ば、渡された原稿を一言一句覚えさせて、うまくできない場合にはやり直しを強制していた。 個々の研修の現場や局レベルではまだこのような研修・指導が残っている可能性はある。」(融営業部長)
異常が第三者委員会の報告書の抜粋であるが、すざましいすさんだ組織で、ひとの心をいたわる心もこれでは起きようがない、もはや組織としては終わっている状態です。
この辺の事情は、私のブログ「かんぽ生命の不適切な販売の内容をわかりやすくまとめると、見えてくる問題点」を参考にしてください。
かんぽ生命の不適切な販売が起きた原因は何だったか?過剰ノルマの背景
では、かんぽ生命の不適切な販売が起きた原因を生んだ「過剰ノルマの背景」は何なのかに
移ります。
かんぽ生命のの不適切な販売の責任をとり関係3社の社長が退任し、新たに増田寛也氏が日本郵政社長に就任しました。
そして、就任後初めてのあいさつで、「日本郵政始まって以来の最大の危機」と述べました。
増田氏は、官僚出身ですが、岩手県知事を務めた政治家でもあります。
就任後、不適切販売の再調査や、再発防止の徹底などを表明しましたが、実は今回の主題である「今ある郵便局ネットワーク」は堅持するといいました。
この、今ある「郵便局ネットワーク」こそかんぽ生命 不適切な販売で過剰なノルマを生み出し、組織ぐるみで不正に手を染めてしまった原因でもあります。
かんぽ生命の不適切な販売が起きた原因を生んだ過剰ノルマの背景「郵便局ネットワーク」とは
かんぽ生命の不適切な販売が起きた原因を生んだ過剰ノルマの背景である「郵便局ネットワーク」とは何か?
何かというと、全国に2万4千局ある旧特定郵便局です。
この、全国に2万4千局ある旧特定郵便局が日本郵政の財政を圧迫しています。
以前から局員の中にも「2万4千局も必要ない」という声が各地で上がっていました。
こんな実態もわかっています。
ある郵便局では「お客が一日数人の局を3人で営業している」事実です。
日本は、少子高齢化が進み、銀行信用金庫などは支店の数をこの20年で5~9%も減らしています。
ですが全国2万4千局の郵便ネットワークはほぼ減っていません。
ですから、赤字の「郵便局ネットワーク」を保険事業で補填してきたわけです。
これが、過度のノルマとなり、不適切販売にまでつながってしまったわけです。
もちろん今後も地方では高齢化、人口減が進んでいきます。
では、なぜ民間ではありえないお役所体質がここまで温存され続けているのでしょうか?
かんぽ生命の不適切な販売を引き起こしたの真の原因「郵便局ネットワーク」は集票マシーンだった。
なぜ民間ではありえないお役所体質がここまで温存され続けているのでしょうか。
この全国のいたるところにある「郵便局ネットワーク」旧特定郵便局が合理化されないのは、反対する人間がいるからです。
それが各地の郵便局長です。この旧特定郵便局の局長は、世襲だったり独立意識も強く、既得権になっています。
全国郵便局長会を組織して、国政を通して「郵便局ネットワーク」の維持を申し入れてきました。
これは、旧特定郵便局時代から変わらない、日本における最大級の「圧力団体」でした。
そして今も強い力を持ち続けています。
「圧力団体」というと聞こえが悪いですが、政治に強い発言力をもつ団体をいいます。
一般的に言いますと私たち庶民の利益とは違ったところで存在しています。
例えば、圧力団体の例を挙げると農協、日本医師会なども大きな圧力団体です。
かんぽ生命の不適切な販売の原因、過剰ノルマは「郵便局ネットワーク」が生み出した。
かんぽ生命の不適切な販売の原因、過剰ノルマは「郵便局ネットワーク」が生み出したという根拠は「郵便局ネットワーク」の販売手数料は年間1兆円にもなっています。
これは、日本郵政グループの、売り上高の4分の一にあたります。
これほどの、いびつな経営をしている民間会社など聞いたことがありません。
かんぽ生命の不適切な販売の原因「郵便局ネットワーク」を温存したまま再発防止はできるのか?
なんでも、物事はうまくいかなかった場合、その原因を検証して次の対策に充てます。
ですが、日本郵政の新社長増田寛也氏は、「郵便局ネットワーク」には手を付けないと
断言しています。
では、かんぽ生命の消費者はどんな対応をすればいいでしょうか。
答えは一つです。「これからも、怖くて買えません」の一言です。
今は、3か月間の行政処分の最中です。そして、今までも不適切販売のちゃんとした調査をこの間にしっかりできるでしょうか?
ちゃんとやれば組織の上層部まで及ぶのをおそらく恐れているのでしょう。
このままでは、多くの人が騙されたまま、泣き寝入りになります。
いつの日か、辣腕の真の経営者が日本郵政の社長になり既得権益全国2万4千の「郵便局ネットワーク」に手を付ける日が来ることを願いましょう。
そうでなければ、小泉内閣で断行された郵政民営化は無意味になってしまいます。
かんぽ生命の不適切な販売の原因について、まとめ
今回は、かんぽ生命の不適切な販売の原因が、過剰なノルマを生んだ「郵便局ネットワーク」であることを書きました。
しかし、このことは、テレビでは放送されていないようです。
よほど、「郵便局ネットワーク」の組織である全国郵便局長会が強いかがわかります。
ですが、今の時代、特定の既得権益を持っている人が優遇され続ける時代は終わっています。
私たちができることは、真の改革が郵政グループで断行されるまで、かんぽ生命商品の「不買」くらいしかできません。
ですが、多くの人が、正しい意識を持てば、私たち庶民が最大の圧力団体になれるでしょう。
今回は、最後までお読みいただきましてありがとうございました。
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