日産自動車元会長ゴーン被告は保釈条件に違反して、海外逃亡中。日本の捜査当局は
国際刑事警察機構(ICPO)に国際手配をおこなった。逃亡先のレバノン当局は、
ゴーン被告の国際手配書を受け取った。
目次
ゴーン元会長の逃走経路と今
無断出国したゴーン被告は今の所在地である中東のレバノンから31日に声明を発表した。
声明は以下の通り「私は今レバノンにいる。有罪が予想される日本の偏った司法制度
の下でのとらわれの身ではなくなった。」である。
今回の逃亡で、保釈保証金15億円は没収される見込み。
逃亡先レバノンでの声明でもわかる通り、今年からの公判が行われても有罪になり、横領の金額面からみても実刑判決もじゅぶんあり得るとした見込みで、保釈保証金15億円を捨ててまでも逃亡を計ったと思われます。
ゴーン元会長、今もレバノンに違法な海外逃亡で国際手配へ
ゴーン元会長、今もレバノンに滞在していて国際手配へ。逃亡先のレバノン当局は、
ゴーン被告の国際手配書を受け取った模様。
ゴーン被告は、正規の海外出国手続きを経ていない可能性が強い。
日本の捜査当局は、ゴーン被告の保釈取り消しを受け国際刑事警察機構(ICPO)に国際手配をおこなった。
現地メディアの報道によるとレバノン当局は国際刑事警察機構(ICPO)からのゴーン被告の身柄拘束を求める国際逮捕手配書を受け取ったとしている。
そして逃亡先のレバノンのセルハン暫定法相は、日本が日産自動車元会長カルロス・ゴーン被告の身柄引き渡しを求めても、同被告の不正疑惑はレバノン当局が捜査することになるとの考えを示した。
ゴーン元会長の逃走経路は?海外逃亡で関係者7人をを拘束
ゴーン元会長は、楽器箱に隠れるなどして不正に日本を出国し途中イスタンブールで、プライベートジェット運航会社の飛行機でレバノンに入国したとみられる。
その際、イスタンブールのプライベートジェット会社の、パイロットら関係者7人を拘束したと現地メディアが発表している。
ゴーン被告の逃亡計画は10月ごろから練られていて脱出計画には、「プロ」をが雇われたようである。
ゴーン被告と言えば2019年3月に釈放されその際「作業員姿」の変装で注目を集めたが、今回の海外逃亡脱出劇では、はたして、変装はあったのか?また作業員姿だったのか。今後の捜査を待ちたい。
ゴーン元会長は今、海外逃亡で関係者を拘束、国際手配へ海外の反応は
もともとゴーン被告の出身国レバノンではゴーン被告は英雄として受け入れられていたが
今回の汚職事件では、かばう声と批判する声がそれぞれあった。
今回の逃亡を受けても市民の声は多様だ。
レバノン市民のなかにはゴーン元会長「裁判の不公正」という主張に理解を示す意見もある。
しかし、首都ベイルートの街頭では、ゴーン被告を「汚職の筆頭格だ」と批判する怒りの声も聞かれた。
レバノンでの腐敗撲滅を求める反政府デモに参加するモハマド・ユーセフさんも、「無罪を主張するなら、日本から逃げる必要はないのではないか。、逃亡は汚職の罪を認めたに等しい」「汚職まみれの人が多いレバノンの中でも、筆頭格だ」」と話す。
ブラジルでレバノン人の両親から生まれたゴーン被告が1年前に日本で逮捕された時、レバノンでは国民的英雄としてもてはやされた。
だが政治エリート層とその裕福な取り巻きに対する国民の反発が広がる中で、ゴーン被告の今回の逃亡劇は金持ちの特権階級の派手な消費の象徴として見られて反感を抱いている市民も増えてきている。レバノンでは国内でも汚職が多く、こうした背景もあって、今回のゴーン被告の違法な逃亡に非難的な市民もいる。
また一方で、依然祖国レバノンの英雄として、レバノンに到着したと聞いて喜ぶ声や依然としてゴーン被告をを誇りに思うという声もある。
海外メディアでも「謎の日本出国」(フランス・パリジャン紙)として注目されている。
一方レバノン政府は12月31日の発表で、ゴーン被告は合法的に入国したと発表した。レバノン公安総局は「彼(ゴーン被告)は合法的に入国し、彼に対する令状発付や起訴の手続きは行われていない」とし、レバノン外務省も、ゴーン被告は30日の夜明けに「合法的」に入国したと言明した。
また、ゴーン被告は、フランス国籍を持っているが、フランスのアニエス・パニエリュナシェ(Agnes Pannier-Runacher)経済・財務大臣付副大臣は2日、仏国籍を保有しているゴーン被告がフランスに入国した場合、同被告はフランスから「送還されない」と発言した。
パニエリュナシェ氏は仏テレビ局BFMに対し「もしゴーン氏がフランスに到着すれば、われわれは同氏を送還しない。フランスは決して自国民を外国に引き渡さないと述べた。
ゴーン元会長の海外逃亡の直前に、レバノン政府から日本側へ送還要請を受けていた
レバノン政府は逃亡の少し前の12月20日レバノンを訪問中の外務副大臣の鈴木氏に
ゴーン元会長の送還を要請していた。
レバノンのアウン大統領との会談で、レバノンの同席者がゴーン元会長の送還を繰り返し要請してきていた。このとき鈴木外務副大臣は、日本の司法の公正な手続きで対応するとして申し入れを拒否した。
ゴーン元会長の海外逃亡の原因で、実際どんな罪に問われているか?
ゴーン被告は、日産自動車の会長時代、役員報酬約91億円を有価証券報告書に記載しなかった。これは、「金融商品取引法違反罪」になる。
「金融商品取引法違反」の量刑は10年以下の懲役もしくは 1,000万円以下の罰金です。
そして、評価損を含む私的なデリバティブ取引契約の日産自動車への付け替え。
さらに、サウジアラビアやオマーンの知人への送金での会社法違反。
送金金額は、約16億円にもおよぶとみられる。
これには「商法(会社法)の特別背任罪」が適用される。
「商法(会社法)の特別背任は」通常の背任罪より量刑が重く、「10年以下の懲役または1000万円以下の罰金。」です。
そして、今回の事件では金額がかなり大きいため、有罪になれば、判決もかなりきびしい
内容が予想されてました。
実刑判決で収監という可能性もなくはなかったわけです。
今回は、ゴーン被告の海外逃亡の様子をまとめてみました。
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