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【派遣社員必見】同一労働同一賃金問題点とは。派遣社員の立場でやさしく解説

投稿日:2020年1月17日 更新日:

今年4月より同一労働同一賃金の制度が派遣社員の場合、派遣に従事しているすべての人が対象となります。同一労働同一賃金の問題点を派遣社員の場合にしぼってわかりやすく解説します。この記事は派遣社員の立場で派遣社員のために書きました。

 

労働者

労働者

 

目次

同一労働同一賃金の問題点で、派遣社員は環境が大きく変わる

今年4月からの同一労働同一賃金の制度導入で派遣社員の環境は大きく変わります。

派遣社員の現状の実態を考えた場合、企業や派遣業者が派遣社員の労働力の搾取と言われてもしかたがないほど、ひどいやり方を行ってきました。

その従来の問題点「派遣社員の待遇の悪さ」を一気に清算する時が来ました。

 

今回の同一労働同一賃金の制度導入で一番困惑しているのが、派遣業者です。

そして、次に困っているのが派遣労働力を都合よく利用してきた企業です。

ただ、派遣業者も、派遣利用企業も法律の抜けを探して今回も上手く立ち回るでしょう。
その上手く立ち回った分だけ派遣で働く人がまたをします。

なので、今回の法律をよく知って、特に派遣で働く人は、対等に立ち回って欲しいと思います。

 

特に、導入1年目で、今は派遣業者も手探り状態です。今後様々な問題がどんどん湧き上がってきます。

大事なのが、派遣会社の一方的ペースにさせないことです。

 

同一労働同一賃金の問題点で、派遣社員の何が変わるか

 

派遣元つまり派遣業者は賃金額の見直しを根本的に迫られることになります。

 

同一労働同一賃金は、今年4月から本格的に始動した働き方改革の第二弾として
「パートタイム・有期雇用労働法」が大企業は来年の春、2020年4月(中小企業は1年後)から施行されます。

一方「労働者派遣法」は、会社規模に関係なく一律に来年4月から改正施行されます。
つまり、派遣労働者のすべてが今年4月から対象になります。

 

今回の、同一労働同一賃金の制度の導入目的は、正規社員と非正規社員との間の「不合理な待遇の差」をなくすことを目的としています。

もし、今後も派遣社員だけ「不合理な待遇の差」があったらそれは、派遣業者か派遣先企業の脱法行為です。これを許すことは問題です。

法律も守らないいわばブラック企業ということになります。

では、具体的に派遣業の場合を説明します。

 

今年の4月からは、「派遣先の社員の基準に合わせる(派遣先均等・均衡方式)」か、または「(派遣元での)労使協定方式」のいずれかを選択しなければならなくなりました。
この二つ以外の選択はありません。

この二つの方式「派遣先の社員の基準に合わせる(派遣先均等・均衡方式)」か、または「(派遣元での)労使協定方式」を守らない派遣会社は違法行為として処罰されます。

 

実は、これは大変な事態になっていきます。

 

そうです。今までいい思いをしてきたは派遣業者や派遣先企業は、大問題として、いま大慌てだと思います。

 

「派遣先の社員の基準に合わせる(派遣先均等・均衡方式)」と「(派遣元での)労使協定方式」の説明をします。

まず、「派遣先の社員の基準に合わせる(派遣先均等・均衡方式)」ですがこれは、派遣で出向いた派遣先の待遇に合わせることになります。

 

待遇というのは給与、ボーナス、時間外割りまし、通勤手当、福利厚生、休憩室など合理性があると見なせないものは全てです。

そこの派遣先で働いている社員と同じ扱いにしなければいけません。

この記事で、この後も合理性という言葉を使いますが合理性とは「誰が考えてもおかしくない」という意味です。

ですから、一歩的に派遣業者や派遣先企業が合理性があるといっても、通りません。

さて、この「派遣先に待遇を合わせる」場合の具体例です。

もし、あなたが比較的待遇のいい大企業に派遣で出向いたときで労働時間に対する支払い条件を提示された場合は、そこの正社員の給料を時間給換算したデータをもとにあなたの時間給も決まります。

例えば、それが時間2000円だったとします。

次に、今度は、あなたが派遣でいったところが小さな町工場とするとやはり、そこの正社員の時間給にあわせますからそこでは、時間給が1300円と下がってしまうことがあり得ます。

ですがここで、考えてほしいのが日本の場合、ほとんどの企業は正社員になれば結婚もでき、子供も生み大学まで出せます。マイホームも買えます。

もし、あなたが派遣先に行って、そんな待遇をされなかったらごまかされていることになります

例えば、退職金にしても今回の制度では、短期派遣の場合でも時間給に組み入れることになっています。

短期派遣だから不利ということもなくなります。

 

ただ、この「派遣先の社員の基準に合わせる(派遣先均等・均衡方式)」は、あまり普及しないと思われています。

最大の問題点が、派遣先の企業がそこの給与のデータを派遣会社にすべて出さなければなりません。

これではガラス張り状態になります。おそらく自社の給与データを出すことに派遣先企業の抵抗がかなり強いと思われます。

 

次に「(派遣元での)労使協定方式」です。

この制度がおそらく主流となると思います。

「(派遣元での)労使協定方式」を簡単にわかりやすく説明しますと、それぞれの派遣会社ごとに労使協定で、給与その他の待遇を決めます。

労使とは具体的には派遣会社の社長と、全派遣社員です。

もちろん現状は、派遣社員側に労働組合は無いと思いますので、急きょ組合を作るか、間に合わなければ派遣社員の間で代表者を決めて、労使間で話し合いのうえ合意しなければ
いけません。

派遣社員は現状約140万人います。派遣会社は全国に事業所数約4万3000、その多くが500人未満の中小事業者です。

いままで、この500人で派遣スタッフの給料を稼いできたわけです。

ひどいときには、30%もピンハネされてきたわけです。これほどの問題はありませんでした。

ですから、この派遣社員500人それぞれががしっかり結束し、いい労働条件を勝ち取ることです。

そして、この「(派遣元での)労使協定方式」では、同じ派遣会社の社員であれば、派遣先が変わろうと同じ基準の待遇になります。

ですから、ある、派遣先企業の仕事があまりにも安いと逆ザヤ現象といって、派遣を請け負った賃金のほうが低くなってしまう場合もあります。

同一労働同一賃金の問題点で、肝心となるのが「(派遣元での)労使協定方式」の交渉

女子作業員

女子作業員

問題は、この協定における賃金の決定で交渉です。

派遣労働者が従事する業務と同種の業務に従事する一般労働者の平均的な賃金の額と同等以上であるもの」と定められているため、派遣元が勝手に自社の基準で賃金を決めることは許されないという点です。

つまり、この「派遣労働者が従事する業務と同種の業務に従事する一般労働者の平均的な賃金」を守る必要が派遣会社にはあります。

この一般的賃金については「賃金構造基本統計調査」と「職業安定業務統計」に基づく2種類の職種別賃金の一覧から使用するものを協定で選択・使用することになります。

この職種別賃金の一覧は、職種別だけでなく、「能力・経験調整指数」と「地域指数」も加味しなければなりません。

労使交渉においては、これを知っておいてしっかり労働者側でも納得することが大事です。

 

「能力・経験調整指数」は、派遣社員ごとの照合していくことになります。

この一般的賃金は、基本給、手当、賞与、を時給単価で算出する他、通勤手当(定額支給の場合)や退職金についても加味しなければなりません。

 

さらに労使協定を締結した派遣元は、毎年度、6月30日までに提出する事業報告書に労使協定を添付しなければならない他、インターネットにもUPしなければなりません。

まずは、しっかりこの制度を知って対等の立場であなたの利益を確保してください。

同一労働同一賃金の問題点で、騙せれないように判例を知っておこう。

今回の同一労働同一賃金の導入では、派遣会社、派遣先企業が恐れているのは裁判です。

そこで、関係する最近の判例を知っておいてください。

不合理な待遇差の是正を巡っては、すでに労働契約法20条に基づいた訴訟・判決が相次いでいます。
裁判例)

東京高等裁判所は2019年2月20日、駅の売店で働く正社員に支給している退職金を契約社員にも支払うように命じる判決を下しています。(メトロコマース事件)。

すでに法律施行前の裁判でも正社員との基本給格差が不合理だとして支払いを命じた判決もあります。(「学校法人産業医科大学事件」福岡高裁平成30年11月29日判決)。

臨時職員として30年以上働きながら、同じ頃に採用された正規職員との基本給の額が約2倍も開いていたことについて均衡待遇の観点から裁判所は不合理と断定しました。

判決の流れは、例えばボーナスについても会社の業績貢献度に応じて支払っている場合、正社員だけに支給し、非正社員はゼロというのは許されません。

データを記入する女子

データを記入する女子

同一労働同一賃金の問題点で、派遣社員に対するアンケート

同一労働同一賃金の問題点で、派遣社員に対する最近のアンケートをご紹介します。

 

“同一労働同一賃金”の導入が進むことへの懸念について伺ったところ、第1位は「雇い止めとなること」(45%)でした。

「待遇が同じになると派遣社員を雇いたい会社は減るのではないかと感じる」(26歳女性)、「自分がある程度の能力上のボーダーラインを超えられなかった場合、辞めさせられそう」(36歳女性)といった声があがりました。

第2位は「派遣の求人数が減ること」(41%)でした。「正社員と派遣の待遇がほぼ同一化してしまったら、会社は正社員を多く求めると思うので、今後、派遣を求める会社が減少すると思う」(23歳女性)、「企業にとって派遣を雇用するメリットが少なくなれば、直接雇用を検討していくと思う」(44歳女性) といった声が寄せられました。

第3位は「仕事の責任や負担が増えること」(38%)でした。「責任や負担を背負いたくないために非正規雇用を選択している人にとっては元も子もない」(22歳女性)、「一人あたりの責任が増えると予想されるが、能力が追いつかない人のことは、結局周りがカバーすることになりそう」(35歳女性)といった声が寄せられました。

<マイナビニュースより引用>

 

今回は、同一労働同一賃金の問題点で、派遣社員に対する立場で書きました。

今後は、派遣社員の待遇がこの法律の趣旨通り目覚ましく向上することを願います。

また、関連記事を順次出します。ご覧ください。

 

 

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