東北から北海道の太平洋に延びる日本海溝・千島海溝でマグニチュード9級の巨大地震が起きるとの想定を、内閣府の検討会が公表しました。過去の津波の痕跡から推定し「巨大地震は切迫している」とも警告した。30m近い大津波が予想される地域もあり住民の避難を
促し被害を減らす対策が急務となっています。
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内閣府発表の日本海溝・千島海溝で巨大地震
過去の津波の証拠を踏まえ最大クラスの地震を想定した。
「現実に起こりうると考えて備えを強めてほしい。」東京大学地震研究所教授で検討会座長を務める佐竹健治さんは訴えます。
内閣府が「最大級の想定」を示すのは2012年に公表した南海トラフ地震の想定に次いでだされています。
「最悪の被害を考え対策の出発点にする。」のが狙い。ただ、南海トラフでは、過去の地震に比べかなり広い震源域を想定したため「本当に起きるか科学的な検証が足りない」と批判が出た。
巨大地震の根拠は過去の物証
今回の報告は、過去の津波で運ばれた砂や土の堆積物など「物証」を重視。
北海道大学名誉教授の平川一臣さんや産業技術総合研究所の調査では、牡鹿半島から根室半島までの多くの場所で、津波堆積物が見つかっている。
過去6千年~7千年間に18~20の堆積層が見つかった地点もある。
検討会は、コンピューターによる模擬実験も踏まえ、巨大地震の震源や規模津波の高さを推定している。
十勝、・根室沖、三陸・日高沖の2つの震源域を考えると説明がつき、最大規模はそれぞれ、M9,3と9,1になるという。
東日本大震災のM9をしのぐ規模だけに揺れや津波も大きい。
十勝・根室沖が震源なら北海道東部の広域で、震度6弱以上の揺れになり、えりも町には、27,9メートルの大津波が到達する。
震源が三陸・日高沖でも岩手県宮古市を29メートルを越える津波が襲う。
日本海溝・千島海溝での地震発生の時期
日本海溝・千島海溝での地震発生の時期が問題となります。
2つの震源域はともに前々回の地震・津波は、12~13世紀、前回が17世紀で、間隔は約300~400年とみられる。
今は、前回から300年以上経過していることから「満期に近づいていると考えられる。」
今すぐ起きる可能性も十分ある。もちろん100年後かもしれない。
千島海溝地震の発生可能性
千島海溝の巨大地震をめぐっては、政府の地震調査委員会も2017年
に「切迫している」との報告を公表している。
三陸・日高沖地震
三陸・日高沖地震についても多くの研究者が警鐘をならす。
その理由は、東日本大震災の震源域のすぐ北に当たることです。
ひずみのたまり
2004年のスマトラ沖地震はマグニチュードは9,1でその後も近隣海域でM8級の地震が連鎖した。
東北大学の松沢教授も「十勝沖や三陸沖の遠方は特に注意が要る」と主張する。
国土地理院の全地球測位システム(GPS)の記録でも、北海道、から宮城県沖に大きなひずみがたまっていた。
宮城県沖では、東北大震災が起きたが、千島沖のひずみは解消されていない。
まとめ
今回は「日本海溝、千島海溝でM9の巨大地震、「巨大地震は切迫している」と警告!」というテーマでお送りしました。
最後までご覧いただきありがとうございました。