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将棋

第79期名人順位戦A級1回戦稲葉陽八段・豊島将之竜王棋譜。

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2020年8月31日に実施された第79期名人戦A級1回戦稲葉陽八段・豊島将之竜王戦講評と棋譜。結果は146手で豊島竜王の勝ちとなりました。#豊島将之 #稲葉陽 #順位戦

豊島将之竜王

豊島将之竜王

 

目次

第79期名人順位戦A級1回戦稲葉陽八段・豊島将之竜王戦講評。

稲葉陽八段

稲葉陽八段

 

名人位失冠後リスタートを切る豊島将之竜王、A級順位戦初戦でライバル稲葉陽八段と対戦。結果は146手で豊島竜王の勝ちとなりました。

 

8月31日10時。大阪・関西将棋会館において第79期順位戦A級1回戦稲葉陽八段・豊島将之竜王戦。

 

前名人の豊島竜王は8月15日、名人位を失冠したばかりです。

 

豊島竜王はA級順位戦において、順位1位からの再スタートでした。

 

豊島竜王が初戦で対戦するのは稲葉八段。関西奨励会の昔からしのぎを削り合ってきたライバル同士。

 

豊島竜王はこれから稲葉八段、菅井竜也八段、佐藤天彦九段、糸谷哲郎八段、斎藤慎太郎八段。5回戦までずっと、関西奨励会出身の近い年代の棋士との連戦となります。

 

生まれた年は、豊島竜王は1990年、稲葉八段は1988年で、年齢は稲葉八段が2歳年長です。

関西奨励会入会は豊島竜王は1999年、稲葉八段は2000年で豊島竜王が1年先行しました。

 

四段昇段は、豊島竜王は2007年、稲葉八段は2008年でこちらも豊島竜王が1年先行。

 

A級八段となったのは、豊島竜王は2017年、稲葉八段は2016年で、こちらは稲葉八段が早い昇進でした。

また先に名人戦七番勝負の舞台に登場したのも、稲葉八段でした。

 

2017年の名人戦七番勝負。稲葉八段は佐藤天彦名人に挑戦して、2勝4敗で敗退しました。

 

一方2019年、豊島竜王(当時王位・棋聖)は佐藤天彦名人に挑戦して、4連勝で名人位を獲得しています。

 

豊島竜王、稲葉八段の過去の対戦成績は豊島10勝、稲葉8勝で拮抗しています。

 

稲葉八段は直近、三浦弘行九段に勝って、順位戦は幸先のよいスタートを切っています。

本局がおこなわれるのは関西将棋会館。関西所属の豊島竜王、稲葉八段にとってはホームです。

今期A級は10人のうち4人が関西所属で、その分、A級の対局も多くおこなわれることになります。

関西会館4階・御上段の間は、前名人の豊島竜王にとっては、名人戦第6局を戦った対局室でもあります。

名人戦の際は名人、挑戦者ともに和服姿でした。本局では両対局者ともにスーツにネクタイ姿です。

両者「お願いします」と一礼して、対局が始まりました。

稲葉八段は一呼吸を置いたあと、前かがみになり、手を遠くの方に伸ばすようにして、2筋の飛車先の歩を伸ばします。

対して豊島竜王も8筋、飛車のひとつ前にある歩を手にします。そこで駒が手につかずに落とし、隣り7筋の歩にぶつかって、2枚の歩が裏を向いて「と」を見せました。豊島竜王はまず7筋の歩を表に戻し、次いで8筋の歩をひとつ進めます。

戦型は角換わりとなりました。飛車側の銀の位置は、稲葉八段は早繰り銀、豊島竜王は腰掛銀です。

25手目。稲葉八段が3筋の歩をつっかけたのに対して、豊島名人は腰掛銀を4筋に引いて、受けに柔軟性のある銀矢倉の形にしました。

 

稲葉八段は35手目、自陣を金矢倉に組みます。豊島竜王が次の手を考慮中に、時刻は10時50分を過ぎました。

 

A級順位戦の持ち時間は各6時間。

角換わりの出だしから、両者陣形を整えてのじっくりとした序盤、中盤に展開。

形勢は豊島竜王優勢で、対局は夜戦に突入。

 

戦型は角換わり。先手番の稲葉八段が早繰り銀に出たのに対して、豊島竜王は腰掛銀から銀矢倉にスイッチして、柔らかく受けます。

 

稲葉八段の銀が五段目まで進んだタイミングで、豊島竜王は継ぎ歩から十字飛車というこの戦型でよく見られる筋でカウンターを仕掛けました。

 

豊島竜王は中段に大駒の飛角を配して押していきます。対して稲葉八段の攻めの銀は五段目から三段目にまで撤退。豊島竜王が巧みにペースをつかんでいきました。

 

稲葉八段は豊島陣に角を打って成り込み、馬を作ります。常識的には大きなポイントと思われます。しかし実は、豊島竜王の待ち受けるところだったのかもしれません。

 

豊島竜王は自陣の駒を繰り替えて、稲葉八段の馬を追い詰めていきます。そしてついに馬を生け捕ることに成功しました。

 

角金交換の駒損となった稲葉八段は、すぐに金を打って逆に豊島陣の角を召し上げます。駒割はイーブンに戻りました。しかしそのやり取りの末に、形勢は豊島優勢ではっきりしてきたようです。

 

今度は豊島竜王が稲葉陣に角を打ち込み、馬を作ります。この攻防にはたらく馬が実に手厚い。この馬を軸に豊島竜王が手厚く指し進め、勝勢を築きました。

 

苦しい中をずっと耐え続けてきた稲葉八段。最後は豊島陣に飛車を成り込んで龍を作り、形を作りました。そしてじっと中空を見上げます。

 

豊島竜王は一度席を立ちました。そして稲葉玉に詰めろをかけます。

 

適当な受けがなくなった稲葉八段は、すぐに龍で飛車を取ります。

 

豊島竜王はグラスに注いだ水を飲み、マスクをつけたあと、馬を寄って王手をかけます。以下、稲葉玉は比較的簡単な詰みとなります。

第79期名人順位戦A級1回戦稲葉陽八段・豊島将之竜王棋譜。

第79期名人順位戦A級1回戦稲葉陽八段・豊島将之竜王棋譜(全指し手)。

 


第79期A級順位戦 1回戦 ▲稲葉陽八段 – △豊島将之竜王【将棋棋譜】

対局日/2020年8月31日(月)
会場/大阪・関西将棋会館
持ち時間/各6時間

豊島竜王、今年度の成績は7勝9敗(0.438)
稲葉八段、今年度の成績は2勝6敗(0.250)
対戦成績は豊島10勝、稲葉8勝(豊島3連勝中)順位戦では豊島2勝、稲葉3勝

 


ー  A級順位戦 豊島将之 竜王 vs 稲葉陽 八段

 

 

まとめ

今回は「第79期名人順位戦A級1回戦稲葉陽八段・豊島将之竜王棋譜。」というテーマでお送りしました。

最後までご覧いただきありがとうございました。

 

 

 

-将棋

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