2020年6月8日 東京・将棋会館 にての第91期棋聖戦5番勝負第1局(藤井七段対渡辺明棋聖)の詳細結果。藤井七段の大胆な奇襲が成功。1勝をあげる。聖戦5番勝負第1局の詳細経過、全指し手と解説を紹介。
目次
聖戦5番勝負第1局の詳細結果
将棋8タイトル戦の一つ、第91期棋聖戦5番勝負第1局は、藤井七段の大胆な奇襲が成功。
1勝をあげ、初タイトル戦で最年少白星、となる。、渡辺棋聖は、「意表突かれた」。
渡辺明棋聖は36歳、藤井聡太七段は、17歳10カ月20日(試合当日)の対戦で、藤井聡太七段が、棋聖、王将、棋王の3冠に挑んだ対戦の第一局が、6月8日に行われた。
藤井聡太七段は、和装ではなく、見慣れた濃紺のスーツ姿だった。和服は師匠の杉本昌隆八段から昨年贈られていたものの「少しの間しかなく、勝手が分からなかったので」と、冷静に普段着での戦いを選択した。
藤井聡太七段が奇襲攻撃の末、157手で勝利。
8日での藤井は、タイトル戦出場史上最年少記録を達成。同時にタイトル戦最年少勝利記録も更新した。
最終盤で、藤井七段が渡辺棋聖の王を攻め、決定的な銀打ちを放った。
その直後、渡辺棋聖の16回連続王手の大逆襲を見舞うことになった。
しかし藤井七段は表情一つ変えなかった。
解説の久保利明九段も、「渡辺棋聖は157手目で投了するまで、連続王手で迫ってきた。要するに、藤井七段は125手目時点で自王に詰みはないと分かってない限り、あの詰めろをかけることはできなかった。」と評しています。
藤井七段自身も「途中で(自王に)詰みがないと思いました。」 「途中から苦しくしてしまったので、勝負勝負といけてよかった。まず1勝を挙げられたのはうれしい」
と述べています。
第一局目は、藤井七段は、渡辺棋聖の十八番の戦型、矢倉に自ら持ち込んでいます。
大胆な戦法に渡辺は「意表を突かれたところはあった」と語った。
観戦の棋士らも驚嘆の声をあげた。
王将の久保利明九段の解説
40手目まで先後同型の矢倉戦。渡辺明棋聖の飛車角両取りを読み筋とばかり、ノータイム
で藤井聡太七段が返す熱戦になった。
渡辺棋聖の92手目△4六金。金が3六から一つ寄っただけで7二馬の利きが1八まで通り、4六の金は角取り。つまり飛車角両取りがかかっています。
もしここで藤井七段が長考するようであれば勝負あったでしょうが▲1三飛成をノータイムで決断。お互いの読み筋でした。
ということは、両者これならやれると思っての踏み込み。開幕から読みと読みがぶつかり合う熱戦になりました。
長く互角の形勢が続いたと思います。差がつき始めたとしたら終盤の入り口で銀取りに打たれた香を渡辺棋聖が同銀と取らず、さらに王頭から激しく迫っていたらどうだったか。
藤井七段がどの時点で勝利を確信したのか、興味があります。
というのも渡辺王に詰めろをかけたのが125手目。後がなくなった渡辺棋聖は157手目で投了するまで、連続王手で迫ってきた。要するに、藤井七段は125手目時点で自王に詰みはないと分かってない限り、あの詰めろをかけることはできなかった。
抜き出た詰め将棋の強さは、5連覇中の詰将棋解答選手権で実証されています。
それはもちろん相手王を詰ます能力であると同時に自王に詰みがない、だから攻めに専念できるとの決断力に通じる。
時間切迫の中、本当に125手目時点で自王が詰まないと見切っていたなら「神に近い」。そう感じました。
昨年11月の大阪王将杯王将戦挑戦者決定リーグ戦(対広瀬章人竜王=当時)では終盤リードを奪いながら中盤の時間消費が響き、1分将棋の中で悪手を指した苦い経験があります。
あれから7カ月経ち、今回は、同じような時間の使い方ながら、今度は相手を先に1分将棋に追い込むほどのレベルアップしている。
第2局は28日に東京・将棋会館で行われる。
聖戦5番勝負第1局の詳細経過
聖戦5番勝負第1局の詳細経過(全指し手)の動画です。
▲藤井聡太七段ー△渡辺 明棋聖 第91期ヒューリック杯棋聖戦五番勝負 第1局
まとめ
今回は「第91期棋聖戦5番勝負第1局(藤井七段対渡辺明棋聖)の詳細結果」というテーマでお送りしました。
最後までご覧いただきありがとうございました。