イランは戦争にこのまま進めば為替は円高になり、ホルムズ海峡封鎖が原因で原油価格は高騰し、最悪はオイルショック到来と日本への影響が心配されます。アメリカの空爆によるソレイマニ司令官を殺害後の動きをまとめてみました。
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イランが戦争に向かう原因になったアメリカの空爆のその後のイランの行動
1月3日に行われたアメリカのイラクの首都にあるバクダッド空港への空爆で今までになく、アメリカとイランの関係が高まった。
イラン政府は5日の発表で、2015年7月イランと、アメリカ、イギリス、フランス、ドイツ、ロシア、中国の6カ国が合意した「イラン核合意」であるウラン濃縮について、全面的に制限を順守しないと宣言。
イラン政府報道官は、合意で定められたイランがウラン濃縮に使う遠心分離機の「数や能力の上限を守らない」と述べ、そして、核開発に関する研究や開発についても、今後は制限なく行う姿勢を示した。
また、核問題に関する国際原子力機関(IAEA)との接触は継続すると表明し、アメリカがイランへの制裁を解除すれば、今回の措置は撤回すると指摘。
一方、イラクの首都バグダッドの米大使館付近に5日夜、再びロケット弾2発が撃ち込まれた。
目撃者が明らかにした。医療関係者によると、このほか米大使館がある制限区域「グリーンゾーン」外の民家に1発が着弾し、4人が負傷した。
これが、今年1月3日にアメリカの軍事作戦でイランの国民的英雄ソレイマ司令官を、空爆により殺害した後のイランの最初の反応である。
1月3日に行われたアメリカのイラクの首都にあるバクダッド空港への空爆の直後、イランの最高指導者ハメネイ師はツイッターで手で血を汚した犯罪者が待っているのは激しい報復だ」と宣言し、いままで穏健路線をとってきたロウハニ大統領も「イランは必ず復讐をおこなう」と発表している。
世界は、今後もイランの出方に注目していた。
イランが戦争に向かう原因になったアメリカの空爆のその後のイランの行動の意味するものは
まず、イラクの首都バグダッドの米大使館付近に5日夜、再びロケット弾2発が撃ち込まれた件は、報復としての最初の一撃だろうが、今後攻撃規模が拡大し、アメリカ兵の死者が相当人数出た場合、アメリカは、イランへの総攻撃を即座に実行する可能性が高い。
次に、「イラン核合意」であるウラン濃縮について、全面的に制限を順守しないと宣言だが、ウラン濃縮に使う遠心分離機の「数や能力の上限を守らない」つまり、無制限濃縮は適当な期間があれば、イランが核兵器を所有することになる。
これについて、アメリカ、イスラエルは到底受け入れることは無理であろう。
だが、イランは、アメリカがイランへの経済制裁を解除すれば、今回の措置は撤回するとも述べている。
イランは、未だに「イラン核合意」には脱退しないスタンスである。
ここで、アメリカは、このまま、イランの「無制限濃縮」を黙認するか、経済制裁を解くか
イランの核施設を攻撃するかの三つの選択を迫られた形だが、イランの核施設攻撃以外はかなり難しい選択になっている。
イランの「無制限濃縮」を放置し黙認することは、イスラエルが相当難色を示すであろうし、経済制裁解除は、ことし11月の大統領選にはマイナスになる。
残るアメリカの選択肢は結局、イラン核施設の攻撃である。
イランが戦争に向かう原因になったアメリカの空爆のその後のアメリカの行動
トランプ大統領は、今回のイランの国民的英雄ソレイマ司令官を、空爆により殺害した件について、「自衛的行動」としている。
そして、イランの報復予告に対し、トランプ大統領は、52か所のイランの標的を攻撃すると宣言。標的の52カ所について、1979年にイランで起きた米大使館占拠事件で人質になった米国人の数で「イランおよびイラン文化にとって極めて重要なもの」が含まれると主張した。
また、ソレイマニ司令官が「米国人を殺し、他の多くの人をひどく傷つけたテロリストの指導者」だと断罪し、殺害を正当化した。
また、イラクのイスラム教シーア派(Shiite)武装勢力の連合体「人民動員隊(Hashed al-Shaabi)」を狙った新たな空爆を実施したと伝えた。
野党・民主党の2議員は5日、トランプ大統領が一方的に米国をイランとの戦争に陥らせることを防ぐ決議案を下院に提出すると発表した。
しかしトランプ大統領は、今後軍事行動を行う場合は議会の承認を得るよう求める声を軽んじ、法的にはそのような通知は要求されておらず、仮にイランへの攻撃を決断した場合でもツイッター(Twitter)に書き込めばそれが議会への事前通告になるとツイッターで表明。
イランは戦争にこのまま進めば円高、原油価格高騰、オイルショックと日本への影響大
年初の株式の動きは、日経平均は取引開始直後から下落でスタートしている。
ほぼ全面安の展開となり、下げ幅は一時400円を超えた。
イランの戦争に対する経済リスクの懸念が作用したことは、明らかである。
為替も円高傾向が続いている。「有事の際の円買い」である。
そして、実際にイランとアメリカが戦争になりホルムズ海峡封鎖がイランの予告どおり
行われば、原油価格高騰による電気代、ガソリン代、石油製品の高騰が予想され、
さらに長期化すればかつて起きたオイルショックの再来さえ可能性としては否定できない。
イランが戦争に向かう原因になったアメリカの空爆はやはりトランプ大統領の選挙目的もあったのか?
イランで面白い情報が流されている。真偽は分からないが、
イランが戦争に向かう原因になったアメリカの空爆でのすぐ後のことである。
イランのIRGC海軍の将官であるアリ・ファダビ(Ali Fadavi)氏は3日夜に国営テレビで、ソレイマニ司令官殺害から数時間後の同日朝、アメリカが「外交手段に訴えてきた」と話した。
それによると、アメリカ側が「イランが報復に出たければ、われわれがやったのと相応の規模で報復してくれ、とさえ言ってきた」という。
それに対し、ファダビ氏は、米国がイランの対応を「決定する」立場にないとし、「米国民は重大な報復を待たねばならない」と述べたとしている。
この話の真偽は分からないが、トランプ大統領が、次期大統領選のために、国内にあった弱腰という批判をかわすために今回の空爆を行ったとすれば、ありえない話でもない。
この話が本当であれば、トランプ大統領も「全面戦争」は避けたいとい意思を持っていることになる。