「就職氷河期世代」を正規職員に採用する動きが広がっています。この度、厚労省が氷河期世代から10人採用を発表。政府が先に発表した河期世代の支援策として、国家公務員の中途採用枠採用の統一試験実施の具体策が内閣府をはじめ、今後順次他の省庁でも、求人の具体的実施策が発表されます。
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厚労省が就職氷河期世代から求人支援策、10人採用を発表、募集条件の範囲は。
中央省庁で先頭を切って、国の就職氷河期世代から求人支援策として、厚生労働省が就職氷河期世代からの中途採用で10人採用することを決めました。
就職氷河期世代からの中途採用で厚生労働省の求人、10人採用の概要
バブル崩壊後、新卒の就職が特に厳しかった時期に社会に出た人たちで、今も正規就職の希望がかなえられていない就職氷河期世代からの正規雇用を促進する方針の求人支援の具体化策として、国家公務員の採用枠として、厚生労働省として、10人の採用枠を発表しました。
今回の求人に応募し、採用になれば、厚生労働省の本省で、来年5月から働けることになります。
この就職氷河期世代からの中途採用枠の採用は、来年度から令和4年度まで集中的に実施される予定です。
また今後、他の各省庁で順次具体化された募集要項が発表されていきます。
就職氷河期世代からの中途採用の募集条件
今回の、就職氷河期世代からの中途採用の厚労省の募集条件は次の通りです。
受験資格として、年齢条件は現在49歳から34歳で、過去1年間に正規雇用で働いておらず、過去5年間でも正規雇用の期間が通算1年以下の人です。
就職氷河期世代の支援策である公務員採用の求人の為の統一試験を実施
12月23日就職氷河期世代の支援策として、国家公務員の中途採用枠で重点的に採用するための公務員求人の統一試験を実施することを決めました。今後三年間で、就職氷河期世代である三十代半ばから四十代半ばの世代に特化した対策に六百五十億円超の予算を確保しました。
就職が厳しかった就職氷河期世代で、未だに正規雇用ができていない人に、非正規雇用労働者の正規雇用への転換や引きこもりの人の社会参加などを集中的に支援する方針です。
就職氷河期世代の中途採用支援策として国が正規雇用を三十万人、予算六百五十億円超を確保
バブル経済崩壊後の低迷を続けた日本経済のなかで、就職難だった三十代半ばから四十代半ばの、いわゆる就職氷河期世代の支援策として政府は、国家公務員の中途採用枠で重点的に採用するため実施される統一試験の実施に合わせ、今後三年間でこの世代に特化した対策
に六百五十億円超の予算を確保しました。
また、非正規雇用労働者の正規雇用への転換では目標30万人、そして引きこもりの人の社会参加などを集中的に支援する方針もうちだしました。
就職氷河期世代への国家公務員の積極的採用民間を行うことで、民間企業への波及効果を見込んで、地方自治体にも中途採用の促進を要請する計画です。
さらに、就職氷河期世代への就職支援策として 新たに交付金制度も創設し、都道府県や市町村ごとに計画を策定。遠方で職業訓練や就職説明会を受ける際の交通費支給や、地元企業への就職を前提に奨学金の返済支援を行い、さらに全国のハローワークに専門窓口を設け、就職相談から職場定着までの一貫した支援体制を構築する。
求職に有利な「短期資格等習得コース(仮称)」を創設することで就職までを支援し、採用に積極的な企業には、助成金支給拡充も決めました。
そして、現在原則禁止の、年齢を制限した採用活動をこの世代に限り全面解禁することで、民間の就職サイトや企業も手掛ける募集でも就職氷河期世代への特化した募を可能にする検討もしている。
就職氷河期世代への求人支援、公務員採用はあまりにも遅すぎた
就職氷河期世代とは、バブル崩壊後の1993年~2004年ごろに高校・大学を卒業した世代を言います。ちょうど団塊世代の子供が就職する時期だったため、約1700万人もの多くがいる世代です。
30代半ばから40代半ばになってしまっているこの世代は、新卒時就職難で、その後景気の回復を期待し、正規雇用のチャンスを狙ってきましたが、日本社会は、この世代にチャンスをあたえませんでした。企業はその後景気が上向いても新卒者の採用を好んで行いました。
悪いことに、小泉・竹中改革での派遣業法改正で、正社員の枠が狭まり、一時的に急場をしのぐため派遣社員として働くと、その間は、就職時にまったくキャリア歴として認めてもらえず、今に至ってしまいました。
世の中は、この世代を見捨てたも同然だと思います。
今回の、就職氷河期世代への求人支援、公務員採用は喜ばしい施策ですが、あまりにも遅すぎました。徹底した支援策を今後も打ち出していかなければならないと思います。
今回の集中支援で無事就職できても、すでに年齢は40歳に達してしまたひとも多く、これから0スタートの人生設計が始まります。
国と企業はここまでになってしまった事態を、しっかり責任を感じて打開していってもらいたいと思います。
とりわけ、企業は就職氷河期世代のひとたちの足元を見るように、その気もないのに正社員登用をちらつかせ派遣社員としていいように使ってきて、いざ、派遣業法がかわった途端、理由も示さず5年で打ち切りです。
この間、多くの属いいうブラック企業が出現し、安い賃金で長時間労働を強いました。こんな、無体な話はあっては、なりません。3年30万人は本気でやらねばなりません。
就職氷河期世代への求人支援、公務員採用でわかる悲惨な実態
全国に先駆けて行われた宝塚市の氷河期世代に特化した採用には、3人の枠に、なんと1635人が受験しました。倍率にすると545倍です。
この数字は、何を物語っているかというと正規雇用への再就職(第二新卒)をいまだに実現いていない人の割合がかなり高いということです。
団塊ジュニア世代でもある就職氷河期世代は、1700万人で、そのうち未だに、フリーターやパートなどの非正規社員、無職などの人たちが約400万人に上るとみられています。それを考えると政府計画の30万人は少なすぎる数字です。
「人生再設計第一世代」を一人でも多くの就職氷河期世代のひとたちへのチャンスとして実現してほしいものです。
実際、就職氷河期世代1700万人のうちのフリーターやパートなどの非正規社員、無職などの人たち約400万人は、大抵、国民年金に加入しています。そして、これらの雇用形態は高齢になるほど、条件が悪くなり、中には失職する人も出てきます。
その後に襲うのは、貧困、生活保護など悲惨な状況におちいる可能性も高く、頑張ってかけてきた年金も国民年金では支給額が低すぎて生活できません。そして、政府は年金の70歳支給開始を目論んでいます。
再度消費税をあげれば直撃を受けるのは、やはりこの世代です。もはや、国も見て見ぬふりはできないでしょう。
就職氷河期世代への求人支援、公務員採用実施、でも残る不公平感
就職氷河期世代の就職難でそのまま、正規社員の就職できていない400万人にものぼる人たちの不公平感は簡単にはぬぐえません。
このフリーターやパートなどの非正規社員は、生涯年収で考えると、正社員が3億円と言われるのに、その5分の一ほどにしかなりません。
これではまともに、結婚、出産などできようはずがありません。
それどころか、仕事では正社員に比べ冷遇され、次第に年齢を重ねていくと老後の生活保護
や、老後破産などの不安が頭をよぎります。
かたや、正社員は当たり前に数千万の退職金をもらい年金も国民年金より手厚く支給されます。なにか、もう一つの経済的身分制度でもこの日本は、できてしまったのでしょうか。
この不公平感は、あまりにも大きすぎます。かつては一億総中流といわれた日本社会が、本人になんの責任もないのに経済的に貧困して底辺を生きなければならないとしたら。
こんななかで、人生に絶望して「引きこもり」になってしまったひとも多いと思います。
「人生再設計第一世代」が「就職氷河期世代」の単に体のいい「言いかえ」にならないように実効性のある施策をどんどん打ち出してもらいたいものです。
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