大企業では、今年4月から中小企業では来年4月から「同一労働同一賃金」が導入されますが、企業が「同一労働同一賃金」の制度を利用し正社員の給与を下げる大義名分にしてするうごきますがあります。このような働き方改革での同一労働同一賃金制度の趣旨に反する動きは、一億総低賃金化「官製ワーキングプア」の増加につながります。
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同一労働同一賃金で一億総低賃金化「官製ワーキングプア」の懸念
安倍晋三政権が進める「働き方改革」の中でも目玉の一つが、「同一労働同一賃金」です。
今年4月から「同一労働同一賃金」制度が施行されます。
「パートタイム・有期雇用労働法」では、正規社員か非正規社員かという雇用形態にかかわらない均等・均衡待遇を確保するため、企業は非正規社員のすべての手当てを正規社員並みに引き上げるか、正規社員の待遇を非正規社員並に引き下げるかを行わなければならな
い、と定めています。
実際には、格差の是正を行うために低い給与を引き上げるのではなく、高い方を引き下げる動きも出始めています。
実際、今回の同一労働同一賃金では、正社員の支給額を下げることに対しては何ら歯止めをかけていません。
従来通りの労使関係での「労働者側の不利益変更」の制約があります。
使用者が、労働者に不利益な変更を進場合は、労働者の同意が必要という決まりですが、あまり実効性はないでしょう。
ふと、この状況状況を見るとかつて、小泉内閣で一般労働者の派遣の範囲を広げ今の非正規社員拡大の原因を作った「骨太改革」の竹中平蔵氏の言葉を思い出します。
テレビ出演などで語っていたのが、竹中氏は、将来的には正社員も非正規社員もなくなる姿が好ましいこ語っていたことがあります。
この是非は別にして、「同一労働同一賃金」が官製ワーキングプア」になってしまっては困ります。
それによっって国民全体の生活水準が低下するのであれば、「働き方改革」は一億総低賃金化「官製ワーキングプア」を作り出していることになります。
働き方改革関連法「罰則付き残業規制」は労働者に有利に働いたか?
同一労働同一賃金は、政府の「働き方改革」の目玉でもあります。
同じ「働き方改革」の一環で制定されたのが「罰則付き残業規制」です。
はたして、この「罰則付き残業規制」は労働者に有利に働いたのでしょうか?
「働き方改革関連法」として、2019年4月から原則として月間45時間、年間360時間の時間外労働時間(残業時間)を上限とする「罰則付き残業規制」を施行されました。
違反した場合は、罰則として6カ月以下の懲役または30万円以下の罰金が科される罰則つきです。
この法案のきっかけになったのが2015年12月25日に元電通社員の高橋まつりさん(当時24歳)最長月130時間の残業などが原因で自殺した事件でした。
だが、残業削減は実態としては、就業時間後は残業禁止のため仕事ができないので、早朝出勤をしているちか、残業が認められなくなってから、自宅で仕事をする時間が倍になったなど、実際は残業であるにもかかわらず、賃金が支払われないサービス残業の増加につながっている場合も多いのが実情です。
過度の残業を防ぐ一定の効果はあったものの、実際の労働者の残業手当は減っています。生活は苦しくなっている場合も多いはずです。
何か、国が企業に締め付けを行うたびに、企業はそれを逆手にとって、労働者が追い込まれていく一億総低賃金化「官製ワーキングプア」の原理ににています。
同一労働同一賃金での一億総低賃金化に対するネット上の声
同一労働同一賃金での一億総低賃金化に対するネット上の声を紹介します。
「まぁ、賃金解雇をもう少し緩くして、年齢に関係なく転職しやすいようにしないと、企業は給料下げたりも簡単にするよね。下げても辞めないから企業の勝ち。これでは良くならない」
「一部の余裕がある大企業は別にして、普通は非正規の賃金あげたらその分正規の賃金は減らされてしまうわな。人件費には限りがあるからそのパイの分け方が変わるだけ。」
「社会的に人手不足は間違いないのだから、ブラック企業には課税、ホワイト企業には優遇措置みたいな施策があれば流れが作れそうだけども、まあ簡単にはいかないか。」
「低収入なかたほど年収が下がるというよりも仕事がなくなる。失業するともう2度と就職できない、そういう社会になる。」
「悪さをせず一生懸命勉強して大学を卒業し、まあまあの企業に入ったのに、遊び呆けて当時自ら非正規雇用を選んだ人と同じ扱いになるのは、なんだか迷惑です。就職できたという運も実力ですから・・・。国民が平等なんて共産主義的な発想ではないですか?」
「労働だけが対価じゃないとおもうのよ。これまでの献身やこれからの貢献も加味してくれないと非正規の方がお得になっちゃうじゃないの。」
引用:https://headlines.yahoo.co.jp/cm/articlemain?d=20200216-00070430-gendaibiz-bus_all&s=lost_points&o=desc&t=t&p=2
次いでツイッターを紹介します。
「そもそも派遣を働き方の多様化推進の元に認めたことが低賃金化の始まりじゃないか?あの頃から給料が上がらなくなった。」
「政府推進で「一億総低賃金」に…本末転倒の「働き方改革」 #ldnews 最初っからこんなのわかりきってた事だし、元々正規と非正規じゃ職に就くまでの努力値とか人間力が雲泥の差があることが多いと思うからここは差別化して良かったのに。。」
引用:twitter ツイッター検索
まとめ
今回は、「同一労働同一賃金で正社員の高い方を引き下げは本末転倒!一億総低賃金化」というテーマでお送りしました。
今、同一労働同一賃金導入を間近にして派遣の給与が上がり始めています。
これは、好ましいことですが、派遣にしても、企業は「派遣」から「請け負い」に求人形態を変え、同一労働同一賃金の規制外の形で労働力を確保する動きも見られます。
これは、見方によっては脱法行為と言われても仕方がありません。
この、企業の法の抜け穴を探るような動きは、批判されるべきで、労働者の利益を損なうばかりです。
企業と労働者は、実際対等ではない現状では、さらなる実効性のある法整備が待たれます。
最後まで読んでいただきありがとうございました。