9月22日実施の第70期王将戦挑戦者決定リーグ藤井聡太2冠・羽生善治九段対局講評と棋譜。結果は、羽生善治九段が勝ちました。
目次
第70期王将戦挑戦者決定リーグ藤井聡太2冠・羽生善治九段対局講評。
王将戦挑戦者決定リーグ開幕戦 藤井2冠対羽生九段の対局です。
羽生善治九段が勝ちました。
9月22日、将棋の第70期王将戦の挑戦者決定リーグ。
渡辺明王将(36)=名人、棋王含め3冠=への挑戦権を争う7人は、全員が戴冠者またはタイトル経験者という凄い顔触れです。
2カ月にわたって繰り広げられる21局は、注目です。
9月22日初戦の藤井聡太2冠(18)―羽生善治九段(49)との対局です
藤井聡太二冠にとっては、3つ目のタイトルをかけての戦いでした。
本局35手目。藤井二冠は1時間7分考えて、飛車キリマンジャロで得た角を自陣に据えます。藤井陣四段目には角が2枚並びました。
初期位置の角筋とは違う筋に打つ角を「筋違い角」といいます。長考の末に放たれたその筋違い角がはたらくかどうか。
羽生九段はじっと歩を突いて、角を圧迫していきます。
そしてまた藤井二冠は時間を使って考える。そして39手目、40分ほど使って端9筋から攻めていきました。この時に歩の数が足りているのも「横歩取り」で歩を得した効果です。
羽生九段はしばらく受け続けたあと、50手目、藤井陣の弱点である右辺の桂頭をねらって反撃に出ます。
この時点で持ち時間4時間のうち、残り時間は藤井39分、羽生1時間50分。形勢はほぼ互角で推移しているものの、時間は常に藤井二冠が多く消費しています。
マスクをはずしている藤井二冠。口元にハンカチを当て、ときおり苦しそうにも見える表情を見せます。対してグレーのマスクをつけている羽生九段。その表情は変わらないようです。
「ずっと際どい、ギリギリの勝負なんじゃないかと思っていた」という形勢が傾くきっかけになったのが、角ににらまれ、自陣で身動きが取れなくなっていた8筋の飛車を8四に進めることができた48手目。
この大駒の不利解消をきっかけに敵陣深く4八への歩を打ち込み、金をつり上げたことで王の背後の守りを弱体化させた。
そこに前述の 飛車が竜に成って攻め入る羽生マジック。その後は怒濤(どとう)の攻めで藤井の守りをあっという間に切り崩し、投了に追い込む直前の76手目△2五香では、勝利を確信した際に自然発生する独特の生理現象、右手の震えも飛び出した。
今回は、結果は、羽生善治九段が勝ちました。
竜王戦挑戦権を獲得して、50歳でのタイトル戦登場が確定している羽生九段。過去には土居市太郎名誉名人、升田幸三実力制第4代名人、大山康晴15世名人、二上達也九段(羽生九段の師匠)、米長邦雄永世棋聖が50代でタイトル戦に登場しています。
タイトル戦制覇の最年長記録は大山15世名人の59歳。1982年、中原誠名人(34歳)の挑戦を退けて、王将位通算20期という大記録を達成しています。
羽生九段は通算タイトル獲得数が歴代最多の99期で、先週100期目のタイトル獲得を目指す、竜王への挑戦も決まっています。
藤井二冠は「厳しいスタートになった。いい状態で次の対局に臨みたい」と無念の表情を浮かべていました。藤井二冠は次に10月5日、豊島二冠と対戦です。
第70期王将戦挑戦者決定リーグ藤井聡太2冠・羽生善治九段対局棋譜。
9月22日実施の第70期王将戦挑戦者決定リーグ藤井聡太2冠・羽生善治九段対局棋譜(全指し手)です。
ー将棋対局速報▲藤井聡太二冠ー△羽生善治九段 第70期王将戦挑戦者決定リーグ戦[横歩取り△3三角型]
第70期王将リーグ▲藤井聡太二冠△羽生善治九段
羽生善治九段が勝ちました。
(持ち時間:4時間)
ー伝説になる一局! 第70期 王将戦 藤井聡太二冠 vs 羽生善治九段 ピンポイント解説 【将棋】
まとめ
今回は「第70期王将戦挑戦者決定リーグ藤井聡太2冠・羽生善治九段対局棋譜。」というテーマでお送りしました。
最後までご覧いただきありがとうございました。