新型コロナウィルスの抗体検査が欧米で始まり、検査結果も徐々に出始めています。各国の抗体検査実施状況と検査結果。
目次
各国の抗体検査実施状況
ー 各国の抗体検査実施状況
ドイツ 5月から全国150地点で1万5000人に大規模
検査を行う。
オランダ 4月から血液ドナー約6000人分を毎週検査
イタリア 北西部ロンバルディア州で一日2万件の
抗体検査を23日から行う。
米国 ニューヨーク州で20日から1日2000件の
検査実施
中国 武漢市で14日から1万1000人規模の
抗体検査を開始。。今後北京や上海でも実施予定。
フィンランド 4月以降、首都圏で検査開始。
今後全国に拡大へ。4月末に最初の結果判明。
日本 東京と東北で各500人分検査。5月1日ごろ結果公表。
各国の抗体検査結果
ニューヨーク州では、23日、無作為に抽出した3000人を対象にした調査で、13,9%が抗体を持っていたと発表しました。
州人口をもとに単純計算すると270万人が抗体を持っています。これは、公表されている感染者(約25万人)の10倍に達します。
他の国でも同様に抗体検査で公表値を大きく上回る感染を示す結果が出ている。
米西部のカリフォルニア州の郡部では、実際の感染者が最大85倍、オランダでは15倍、イタリアでは、30倍、ドイツでは人口1万2000人の農村で住民の15%が感染している可能性が判明しました。
新型コロナウィルスは、無症状や軽症の患者が多く、実際の感染者は、公表値よりも多いとされます。
各国での抗体検査でこれまで判明した結果は感染が想定以上に広がっている可能性があることです。
集団免疫の感染割合は人口の6割
感染して免疫をつけた人が人口の6割以上に達すれば理論上は集団免疫となりウィルスの感染拡大は収束に向かうとされています。
WHOは4月20日、新型コロナウィルス流行が激しい地域でも「感染している人口の割合は、2~3%未満にとどまっているようだ」と発表。
集団免疫までは、まだ時間がかかりそうです。
経済活動の早期復旧
抗体を持った人の外出制限を緩めることで経済活動の再開につなげられる期待があります。
英国は、免疫を持った人を確認できる「証明書」を国民に発行し外出を許可する計画が出ています。
米疾病対策センター(CDC)は、全米を対象に9月、12月、2021年11月に5万のサンプルを集めて検査する。
全米の感染規模特定やワクチン開発につなげる。
中国では、新型コロナウィルスの発生地の武漢市が14日から1万1000人規模の検査を始め、近く結果をまとめる。
北京など9つの市や省でも実施する。
今後抗体検査の本格利用には、科学的知見の蓄積と精度の向上が必要となります。
新型コロナウィルスの抗体が本当に再感染を防ぐかどうかなど、まだはっきりしない点もあります。
韓国では、回復後に再び陽性になる患者も出ています。
中国の報告では、回復直後の感染者の3割で十分な抗体がなかったという報告もあります。
簡易検査の「イムノクロマト法」
簡易検査の「イムノクロマト法」は血液をたらすと約15分で結果が出ます。
妊娠やインフルエンザの検査に使われており大規模な調査に向くものの、精度は低い。
そして、検査キットの大量供給も課題となります。
日本の場合、クラボウは、中国企業の検査キットを輸入するが、販売対象は研究機関に限られています。
塩野義製薬はバイオスタートアップと提携し、中国企業の簡易検査キットの販売を目指すが通常の場合、販売承認の申請まで1年近くかかります。
日本の抗体検査は、日本赤十字社が厚生労働省の依頼を受け、献血者の血液を利用した抗体検査の性能評価を始めました。
東京都内と東北地方で各500人分の血液を調べる。
結果は5月1日ころの公表を目指す。
加藤厚生労働大臣は、24日の記者会見で「PCR検査と組み合わせることで精度の高い診断を
行える可能性がある」とした。
まとめ
今回は、「世界各国の抗体検査実施状況と抗体検査結果状況」というテーマでお送りしました。
最後までお読みいただきありがとうございました。