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絵本作家の田畑精一さんが死去。プロフィールや主な作品を紹介。

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絵本作家の田畑精一さんが死去。享年89歳。新しい絵本シリーズを描くため、田畑精一と古田足日がいっしょに、保育園を取材してまわって構想を練り、「文」と「絵」について互いにアイディアを出し合いながら完成させた古田足日が田畑精一との「共作」の絵本『おしいれのぼうけん』は、推定累計180万部を売り上げた。

田畑精一さん

田畑精一さん

目次

絵本作家の田畑精一さんが死去

絵本「おしいれのぼうけん」や「ダンプえんちょうやっつけた」などの作品で知られる絵本作家の田畑精一んが6月7日午後1時13分、老衰のため死去しました。享年89歳。

田畑精一さん

田畑精一さん

 

絵本作家の田畑精一さんのプロフィール

1931年(昭和6年)、大阪に生まれ、芦屋市で育つ。

1945年(昭和20年)1月に父を亡くし、アルバイトしながら勉強する。

高校時代は美術部の部長を務める。

原子物理学に興味を持ち京都大学理学部に入学するが、朝鮮戦争が始まって大学が騒然とするようになると、原子物理に疑問を抱くようになり、人形劇に関心が次第に移っていき、大学を中退して人形劇団プークに参加。

 

その後22歳の秋から約10年間は、人形座に参加し、主に美術を担当。

 

人形座の解散後、絵本の世界にひかれていく。

 

同じ東久留米市の近所に越してきた古田足日との出会いから親交を深め、古田足日の『くいしんぼうのロボット』(小峰書店 1966年)に挿絵を描く。

『くいしんぼうのロボット』

『くいしんぼうのロボット』

『くいしんぼうのロボット』

『くいしんぼうのロボット』

 

『やまとたける』(与田凖一文、国土社 1968年)『はごろも』(与田凖一文、国土社 1969年)で初めて絵本の挿絵を担当。

 

『おしいれのぼうけん』は、古田足日との共作による絵本で、1974年の初版以来2007年9月までに推定累計180万部を売り上げた。

 

また『さっちゃんのまほうのて』は先天性四肢障害児父母の会からの依頼で共同制作した絵本で、先天性の障害を持つ女の子とその周囲を描き、1985年の初版以来、2010年までの25年間で65万部のロングセラーとなった。

「さっちゃんのまほうのて」

「さっちゃんのまほうのて」

「さっちゃんのまほうのて」

「さっちゃんのまほうのて」

 

田畑精一氏の他の代表作では、「ひ・み・つ 」 童心社や「ピカピカ 」偕成社があります。

ひ・み・つ 童心社

ひ・み・つ 童心社

田畑精一氏作「ひ・み・つ 」の紹介です。

「ひ・み・つ 」のあらすじは、主人公のゆうき君は、はおばあちゃんの大切な《ひみつ=願い》のために、一生懸命がんばります。そして…。たなばたの夜の、夢のような奇跡が。しんばあちゃんがおじいさんに出会ってダンスをーーー。ファンタジックで夢があり人気のある本です。

 

ピカピカ 偕成社

ピカピカ 偕成社

田畑精一氏作「ピカピカ 」の紹介です。

「ピカピカ 」のあらすじは、街の片隅に捨てられていた自転車のピカピカは、小さな女の子「ゆきちゃん」の手助けで自転車屋のおじいさんに修理してもらい、船でアフリカへ旅立ちます。

ピカピカは、もとは、捨てられた自転車でした。ところが、猫たちが相談して、ゆきちゃんという女の子をピカピカに引き合わせます。
ゆきちゃんのおじいちゃんに修理されて「ピカピカ」になった自転車ピカピカは、遠いアフリカの途上国へ送られて行きます。

そこでモシャおばさんという助産婦さんの自転車となり、大活躍することに。その映像を、日本でゆきちゃんがTVで見かけます。

 

田畑精一氏の受賞や活躍は、

絵本「さっちゃんのまほうのて 」で、1985年 赤い靴文化大賞受賞。

 

紙芝居「おとうさん 」(与田凖一脚本  )で、1968年第7回高橋五山賞画家賞。

 

「子どもの本・九条の会」代表団員を務める。

 

田畑精一さん

田畑精一さん

田畑精一さんんの主な作品

絵本

1985年     さっちゃんのまほうのて    偕成社

2004年     ひ・み・つ                童心社

1998年  ピカピカ          偕成社

紙芝居

1971年  ロボット・カミイ   古田足日作   童心社

1968年  おとうさん     与田凖一脚本   童心社

1984年  くちのあかないカバヒポポくん  わしおとしこ作  童心社

挿絵

1972年  ねずみのはととりかえっこ    神沢利子    国土社

1974年  そりになったブナの木      神沢利子    国土社

1977年  キミちゃんとかっぱのはなし   神沢利子    ポプラ社

1981年  ゆうちゃんのゆうは       田畑精一 神沢利子作   童心社

1975年  算数病院事件(5年3組事件シリーズ)  後藤竜二作   新日本出版社

1985年  のんびり転校生事件(5年3組事件シリーズ)  後藤竜二作  新日本出版社

1978年  太陽の子 灰谷健次郎作   理論社

1982年  とべ へんてこどり   川北亮司文   童心社

1992年  おみせやさん   角野栄子文 童心社

古田足日の作品挿絵担当

1966年  くいしんぼうのロボット    小峰書店

1968年  モグラ原っぱのなかまたち   あかね書房

1969年  れいぞうこロボット      盛光社

1987年  へび山のあい子        童心社

1974年  おしいれのぼうけん(絵本ぼくたちこどもだ 1) (共作)  童心社

1978年  ダンプえんちょうやっつけた(絵本ぼくたちこどもだ 2) (共作) 童心社

おしいれのぼうけん

 

1974年と1980年に童心社より出版され、2012年夏には累計部数が200万部を突破した。

「おしいれのぼうけん

「おしいれのぼうけん

 

新しい絵本シリーズを描くことを童心社の編集者から依頼されて、古田足日が田畑精一といっしょに、保育園を取材してまわって構想を練り、「文」と「絵」について互いにアイディアを出し合いながら完成させた古田足日が田畑精一との「共作」の絵本。

 

「集団の中で子どもは育つ」をコンセプトに、子どもの生活を子どもの側から描いた絵本という新しい絵本シリーズ(絵本 ぼくたちこどもだ)を制作するために、古田足日、田畑精一、編集者の3人は保育園を取材してまわって構想を練った。

 

 

いろいろな話の中に、「子どもを押し入れの上下に入れた話」や、人形劇の「ねずみばあさん」を子どもたちが心底怖がるという話があった。

 

これらをもとに、古田足日氏が「子どもの心の中の冒険」という独創的な物語を書き上げた。

 

古田足日氏はこの冒険について「甲賀三郎の話」やオオクニヌシにある「根の国(地下の国)」から「母親の胎内」「薄くらがり」に通じる「押し入れ」で試練にあい、新しい力を獲得するという神話的展開を考えていた、と説明している。

 

この古田足日氏の「子どもの心の中の冒険」に田畑精一氏もアイディアを出し、古田足日氏が絵に注文を付けるという形で、単なる挿絵を超えた共作が出来上がった。

 

田畑精一氏はこの本のためにそれまでと全く違う絵が必要と考え、保育園に何度も足を運んで子どもたちの集団を見て何枚も絵を描き続けた末に、生き生きとして自由で魅力的な子どもたちを描きあげた。

 

 

「ダンプえんちょうやっつけた」は、「おしいれのぼうけん」の続編。

ダンプえんちょうやっつけた

ダンプえんちょうやっつけた

まとめ

今回は、「絵本作家の田畑精一さんが死去。プロフィールや主な作品を紹介。」というテーマでお送りしました。

最後までご覧いただきありがとうございました。

 

 

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