フリーランスの悲鳴が話題になっています。新型コロナウイルス感染拡大に伴う影響や政府への要望について、フリーランス協会が3月3日にSNSで緊急コメント募集を行うと150件以上の悲鳴が寄せられました。コメント募集期間を過ぎた今でも、開いたままの回答フォームから悲鳴が止まない状態。 その中でさらに今年、4月からの同一労働同一賃金導入で「派遣社員」のかたちでの雇用は急減すると思われ、それに代わるのが、「請負」つまりフリーランスです。今回の、新型コロナ騒動で、フリーランスの非常時の不安定さが表出しました。
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国の救済策に不公平感 フリーランス悲鳴
新型コロナウイルス感染拡大に伴う影響や政府への要望について、フリーランス協会が3月3日にSNSで緊急コメント募集を行うと150件以上の悲鳴が寄せられました。
コメント募集期間を過ぎた今でも、開いたままの回答フォームから悲鳴が止まない状態です。
2月26日のイベント自粛、2月27日の全国一斉休校、3月1日のフィットネスクラブ・ライブハウス等の運営自粛という、3つの首相要請により、最短2週間、場合によってはまるまる一ヶ月かそれ以上の仕事が、跡形もなく消えてしまった人たちが少なくありません。
様々な個人事業主で、新型コロナウィルスの影響で一斉休校のため入っていた仕事を断ったり、休校で仕事がキャンセルになったり。
学校関係でなくても、例えば、美容室やエステも、実は雇用ではなく歩合制の業務委託契約が多い。
首相要請を受けて悲鳴をあげているのは、フリーランスだけではない。
観光業界、飲食業界、興行業界では、多くの中小零細企業が明日の生活に不安を抱えているし、休校により休業を余儀なくされる保護者も多い。
そこで政府は、一斉休校に伴う休業補償、事業活動縮小を支える雇用調整助成金の特例措置拡大、企業主導型ベビーシッター利用者支援事業の利用枠引上げと非課税所得化など、次々と救済措置を打ち出した。
しかし、いずれも企業とその従業員を支援する施策で、個人事業主は救えない。
さらに悲惨なことがある。仕事が発注者都合でキャンセルになった場合、民法上は、報酬や実費の請求権(債権)を失わない。報酬の一部や、持ち出し済みの立替実費だけでも受け取る交渉も可能だろう。しかし、首相要請のような不可抗力によって業務が実施できない状況は、民法536条1項により債権は失われ、発注者の厚意に委ねるしかない。
経済産業省や中小企業庁は日本政策金融公庫と連携して、2月14日に経営相談窓口を開設し、資金繰り支援を始めている。
3月3日の内閣官房長官会見では、休校による休業補償に関する記者の質問に対し、「フリーランスや自営業者にも措置を講じる」方針が示された。
この発言を受けて、フリーランスの間でも給付型の救済措置に関する期待が高まってしまっていたため、本来は有り難いはずの無利子・無担保融資にも、「期待外れ」という反応がSNSで散見される。
フリーランスの課題が表出
このままでは、各種要請で打撃を受けたフリーランスの経済的困窮や自己破産が相次ぐ可能性もあります。
一言で言えば、これまで我々が訴えてきたフリーランスの課題が、新型コロナウイルス感染拡大に伴い、一気に顕在化したとも言える。
イザというときの保証がなくすべて自己責任で、今回のコロナウィルス不況などのリスクも背負わなければならない。
同一労働同一賃金で フリーランス(請負)を派遣の「抜け穴」化に
ことし、4月から導入される「同一労働同一賃金」でますますフリーランスが増加する可能性があります。
いままで、派遣の最大のメリットは派遣先企業も派遣業者も派遣社員という安い人件費を
必要な時だけ使えるというメリットがありましたが今後は派遣労働力のコストは確実に上がります。
すでに導入前の今の段階でも派遣の人件費は上昇しています。
そして、従来ほどメリットのなくなった派遣形態から大きなシフト現象が起きます。
そのシフト先が請負業態、フリーランスです。
つまり派遣先企業様や材派遣会社は同一労働同一賃金の影響を受ける「派遣」から、同一労働同一賃金の影響を受けないフリーランス化「請負化」への転換をどんどん進めるでしょう。
そうすれば、請負の仕事は相当今後拡大していくと思われます。
同一労働同一賃金導入で一番心配されるのが、請負を派遣の「抜け穴」に利用されることです。
いままでの、仕事を継続しながら、契約だけ、派遣からフリーランスへの切り替え化などは請負を派遣の「抜け穴」に利用することになります。
拡大するフリーランスをどう救うか
今後、拡大するフリーランスをどう救う制度を作っていくかが課題になります。
今回の新型コロナウィルスのような、疫病や、震災などの災害などのときの救済策を法律として至急すくる必要があります。
じっさい、働き方改革の「同一労働同一賃金」の恩恵も受けられず、企業の都合次第でフリーランス形態へ追いやられるケースも今後増えるからです。
まとめ
今回は、「救済策に不公平感 フリーランス悲鳴、今後も急増するフリーランス」というテーマでお送りしました。
最後まで読んでいただきありがとうございました。