9月2日に実施されたA級順位戦3回戦羽生善治九段・糸谷哲郎八段対局講評と棋譜。結果は糸谷哲郎八段が勝ちました。
目次
A級順位戦3回戦羽生善治九段・糸谷哲郎八段対局講評。
9月2日に大阪・関西将棋会館においてA級順位戦3回戦羽生善治九段(49歳)対△糸谷哲郎八段(31歳)戦が実施されました。糸谷哲郎八段が勝ちました。
A級順位戦3回戦羽生善治九段・糸谷哲郎八段対局1勝1敗同士の対戦になります。
両者の今期A級成績は1勝1敗。名人挑戦を目指す上では、ここで敗れると厳しくなりそうなところです。
羽生善治九段(1勝1敗)-△糸谷哲郎八段(1勝1敗)
羽生九段は前節、佐藤天彦九段に敗れています。
横歩取りです。羽生九段が飛車先の歩を交換したあと、糸谷八段も同様に進め横歩取りの進行となりました。
14手目。糸谷八段は飛車先の歩の交換ではなく、玉を上がりました。最近しばしば見られるようになった手法で、糸谷八段も過去に指しています。
対して羽生九段は10分を使って、横歩を取りました。相手が事前に準備しているところにかまわず応じていくのが、昔も今も変わらない王道の羽生流です。
34手目。糸谷八段は交換した飛車先の歩を打って合わせます。再度の歩交換がおこなわれたあと、再度飛車取りに歩が打たれたのを見て、飛車を同じ位置に引きます。
そこにあるのは4手前とまったく同じ局面。しかし手番だけは相手に渡っています。
将棋は「パス」のできないゲームです。しかし盤上で合法手をうまく組み合わせれば実質的にそれができるというわけで、つまりこれは最善形を崩さずに待つという高等戦術です。
もし後手番で千日手になれば不満はありません。
さて、途中までの手順は異なりますが、38手目の局面は以前指された王座戦本戦▲羽生九段-△飯島栄治七段戦とまったく同じです。
羽生九段が39手目を考えているところで12時、昼食休憩に入りました。
12時40分、再開。羽生九段は前例通り、自身の飛車筋の先、2筋に歩を打って、攻めの拠点とします。対して糸谷八段も前例通り、7筋の歩を突き捨ててから中段に桂を跳ね出し、すぐに反撃に移りました。
その次、羽生九段は前例では角交換をしていたところ、戦場となっている7筋に飛車を回りました。
A級順位戦の持ち時間は各6時間。ここまでの消費時間は羽生九段1時間29分、糸谷八段14分と差が開いています。棋界屈指の早指しの雄である糸谷八段の時間の使い方も注目されるところです。
時刻は13時を過ぎました。ここは早くも勝負どころ。糸谷八段も熟慮に沈みそうなところです。
A級順位戦3回戦羽生善治九段・糸谷哲郎八段対局棋譜。
A級順位戦3回戦羽生善治九段・糸谷哲郎八段対局棋譜(全指し手)。
ー将棋対局速報▲羽生善治九段(1勝1敗)-△糸谷哲郎八段(1勝1敗) 第79期順位戦A級3回戦[横歩取り△3三角型]
2020年9月2日の将棋対局情報(詳細は次の動画で随時更新!)
第79期順位戦A級▲羽生善治九段△糸谷哲郎八段
糸谷哲郎八段が勝ちました。
(持ち時間:6時間)
まとめ
今回は「A級順位戦3回戦羽生善治九段・糸谷哲郎八段対局棋譜。」というテーマでお送りしました。
最後までご覧いただきありがとうございました。