2021年8月24日実施の第62期王位戦七番勝負第5局藤井聡太王位対 豊島将之竜王対局の講評と棋譜です。戦型は相掛かり、封じ手は△3三桂でした。結果は藤井二冠が勝ち初防衛を果たしました。
目次
第62期王位戦七番勝負第5局藤井聡太王位対 豊島将之竜王対局講評。
8月24、25日に徳島市で行われた第62期王位戦七番勝負第5局藤井聡太王位対 豊島将之竜王対局の講評です。
結果は藤井二冠が勝ち初防衛を果たしました。
1日目は後手の豊島二冠が46手目を封じて1日目を終了。封じ手:46手目△3三桂
ここまでは藤井王位が3勝1敗とリードしており、本局に勝てば初防衛となります。
今シリーズは豊島二冠が開幕で快勝したあと、藤井王位が3連勝しています。
相掛かりの戦型になった本局は、1日目から8筋の主導権を争う激しい展開になりました。
△8六歩と歩を垂らして、次の△8七歩成を狙う豊島竜王に対し、藤井王位は飛車と角で相手の飛車の利きを止めようとします。
一手に藤井王位は121分、豊島竜王は113分も考えるなど、両者長考を繰り返すほどに難解で構想力が問われる将棋になりました。
藤井王位が▲7七銀と上がり、8六の垂れ歩を除去しようとした局面で、豊島竜王が40分考えて封じ手を行い1日目が終了しました。
2日目対局再開直後に一気に形勢が動きました。
封じ手は△3三桂でした。
2日目先手の2五の飛車を五段目からどかすことで、△8五飛と飛車を活用しようという狙いです。
封じ手の46手目△3三桂からわずか5手の間に本局は大きく様相が変わりました。
形勢全くの互角でしたが、▲9七桂を境に先手が大きく優勢になっています。
豊島竜王の狙い通りに▲2九飛△8五飛と進行します。
△8七歩成でと金を作られてしまうと敗勢になる藤井王位は、▲8八歩と打ってしっかりと守りました。
飛車取りで手順に跳ねられた△3三桂は、一見すると妙手。
でも桂頭を攻められる展開になったり、後手玉から見て左辺への逃げ道がなくなっている弱点がありました。
豊島竜王は慎重に41分の考慮で角取りに△7五銀と出ました。
▲4四角△同歩と角交換になれば、手順に歩が伸びるので△4五桂と跳ねられるようになります。
ところがこの手でABEMAのAIの評価値は、一気に藤井王位に傾きました。
この銀には飛車のひもが付いていますが、もし飛車が五段目からいなくなってしまうと、角にタダ取りされてしまいます。
そしてその飛車に働きかける絶好の一手があるのです。
ここでチャンスとみたのか、藤井王位も長考に沈みます。
AIが示す手を指すのか、指さないのか。
観戦するファンは固唾を飲んで見守っていたでしょう。
そして44分後、藤井王位は▲9七桂と着手。この手がAIも最善と評価していた、盤上この一手の好手でした。
後手は飛車を逃がすと銀を取られてしまいます。
飛車を見捨てて角を取る展開になると、後手陣は前述の△3三桂跳ねの弱点である左辺への逃げ道がなくなる点が目立ってきます。
例えば▲8二飛と打たれるだけでも、一気に寄り形になってしまいます。
豊島竜王の失策だったか▲9七桂に対し、1時間以上手が止まりました。
そして70分の大長考の末、△8四飛と着手。
藤井王位は▲7五角で銀を入手。
このまま藤井王位が押し切って、王位のタイトルを防衛。
第62期王位戦七番勝負第5局藤井聡太王位対 豊島将之竜王対局棋譜。
ー祝!防衛達成! 王位戦 藤井聡太王位 vs 豊島将之竜王 将棋解説
【棋譜並べ】主催:徳島新聞社
ー将棋対局速報▲藤井聡太王位(3勝1敗)ー△豊島将之竜王(1勝3敗)
お~いお茶杯第62期王位戦七番勝負 第5局[相掛かり]
お~いお茶杯第62期王位戦七番勝負 第5局
▲藤井聡太王位△豊島将之竜王
藤井聡太王位が勝ち王位初防衛となりました。
(持ち時間:8時間)
(封じ手:46手目△3三桂)
ー防衛!強メンタル!【将棋】藤井聡太王位vs豊島将之竜王
【棋譜並べ】相掛かり 桂馬跳ね! 2021 08/24-25
まとめ。
今回は「第62期王位戦七番勝負第5局藤井聡太王位対 豊島将之竜王対局棋譜。」というテーマでお送りしました。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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