トランプ米大統領は、4月10日の記者会見で、新型コロナウイルスへの免疫を持っているかどうかを調べる抗体検査を、検討していることを表明しています。狙いは、経済活動の早期回復です。抗体検査とPCR検査の違いを解説します。
目次
アメリカで抗体検査を検討
新型コロナウイルスの対策で、全米での抗体検査実施について、「とても、迅速に承認するつもりだ」と述べ、全として米での実施を視野に検査への早期導入への意欲を示しました。
この実施により、米国での感染による死者数が「政府予測の最低10万人」を大幅に下回ると予測しています。
経済活動の早期回復をねらう抗体検査
狙いは、経済活動の早期回復にあります。抗体検査で免疫があると確認できた人から外出制限を外すなどすれば、経済活動の早期回復が見込めるというものです。
国立アレルギー感染症研究所のファウチ所長は、「1週間後には、多くの検査が可能になる」と述べています。
米国では、すでに食品医薬品局(FDA)が、抗体検査を研究目的で承認したケースがあり
それを、トランプ大統領は、大規模に実施する計画です。
抗体検査とPCR検査の違い
抗体検査とPCR検査の違いを項目で比較します。
項目 PCR検査 抗体検査
検査目的 今、コロナウィルスに 過去にコロナウィルスにかかり
– 感染しているかどうか 免疫があるかどうか
検査方法 鼻孔やのどの奥を
– 綿棒でこする 少量の血液を採取する
実施者 医療関係者が実施 自分で検査できる
精度 高い PCR検査より低い
検査時間 数時間以上かかる 15分程度、検査後
– その場でわからない すぐに結果がわかる
現況 各国が実施し検査数の 英・独・仏などが
– 増加を目指す 新型コロナに有用か調査中
抗体検査の原理は、「イムノクロマト反応」(抗原抗体反応)を利用したもので、妊娠検査薬やインフルエンザウィルスの簡易検査キットにも使われている。
抗体検査の新型コロナウイルスへの有効性
抗体検査の新型コロナウイルスへの有効性について、クリアーになっていない点もまだ残っています。
例えば、先ほどの比較表にもあったように精度がそれほど高くないと見られその分リスクがあります。
また、感染症の専門家の間では、「新型コロナウイルスの免疫があっても、2回感染することが本当にないのか、その免疫がどのくらい持続するのかまだ結論がでていない」との意見もあります。
まとめ
今回は「アメリカで抗体検査を検討、抗体検査とPCR検査の違い、経済活動の早期回復狙う」というテーマでお送りしました。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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