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高年齢者雇用安定法「70歳定年へ」改正の方針決める、年金対策の思惑!

お金と労働者

お金と労働者

政府は4日、企業に対し、現状は65歳まで義務化している高齢者の雇用を70歳までの就業確保に努めるよう求める高年齢者雇用安定法などの改正案を閣議決定しました。これは、年金支給年齢の引き上げ、増え続ける社会保障費を抑制する狙いがあると見られます。

サラリーマン通勤風景

 

目次

高年齢者雇用安定法「70歳定年へ」改正の方針決める詳細案

政府は企業の選択肢として、65歳までで義務化している定年の廃止や延長、雇用継続のほか、起業や社会貢献活動の支援など、自社で雇う以外の対応も容認する考えです。

政府は、昨年すでに、内閣総理大臣を議長とし、関係する大臣や民間有識者がメンバ
ーに名を連ねている「未来投資会議」にて、次のような話し合いがなされています。

2019年5月15日に開催されたで「未来投資会議」で議論されたのは、人生100年とされる
時代において、働く意欲を持つ高齢者の活躍の場を整備することの必要性でした。

 

議論の中では、希望者全員を65歳まで雇用することを義務付けている現状制度の見直し
を行い、働きたい高齢者に対して70歳までの雇用確保を企業に求める具体的な方針が示されました。

これには、高齢者に雇用の機会を設けることに加え、増え続ける社会保障費を抑制する狙いもあります。

就業機会確保のための7つの選択肢
70歳まで雇用の機会を広げるとなると、それぞれの高齢者の特性に応じた活躍の場を設けることが必要となります。
そのため、65~70歳までの就業機会確保については、直接雇用だけではなく、多様な選択肢を法制度上許容することの重要性が議論され、以下の7つの選択肢が示されました。
① 定年廃止
② 70歳までの定年延長
③ 継続雇用制度導入(現行65歳までの制度と同様、子会社・関連会社での
継続雇用を含む)
④ 他の企業(子会社・関連会社以外の企業)への再就職の実現
⑤ 個人とのフリーランス契約への資金提供
⑥ 個人の起業支援
⑦ 個人の社会貢献活動参加への資金提供

パソコン操作の高齢者

 

高年齢者雇用安定法「70歳定年へ」改正の方針決める、年金対策の思惑

年金制度も今回の高年齢者雇用安定法「70歳定年へ」改正と同じペースで急進的に変えられていきます。

 

なぜかと言えば、増え続ける社会保障費を抑制しなければ、今の年金制度は維持できません。

 

支給開始年齢(現在60~70歳)は、働く期間が延びることに合わせ、70歳以降も選択可能とする。

加入期間の延長は公的年金である厚生年金の制度変更にそろえるもの。厚労省は政府・与党内で協議した上で、来年の通常国会に改正法案を提出する方針。

自営業者や、会社員が個人で保険料を負担する個人型確定拠出年金(イデコ)に関しても、加入可能年齢を現行の60歳未満から、企業などで働く人は65歳未満に引き上げる。

支給開始年齢は企業型にそろえ、70歳以降を選べるようにする。

また、厚労省案では企業年金のうち、あらかじめ支給水準が決められた確定給付年金についても、支給開始年齢を現在の60~65歳から、60~70歳に拡大する

高齢夫婦と年金手帳

 

高年齢者雇用安定法「70歳定年へ」改正方針閣議で決まったポイント

今回の閣議では具体的に以下のように決まりました。

・企業は五つの選択肢のいずれかの方法で、70歳までの就業機会を
確保するよう努める。
・他社に転職させる場合は企業間契約が必要
・業務委託や社会貢献を選ぶ場合、労働組合の同意が前提
・仕事を掛け持ちする人の労災を認定する際、全ての労働時間を合算して
判断する制度を新設
・高齢者雇用継続給付の給付率を2025年から引き下げる
70歳就業法案のポイント(共同通信)

高年齢者雇用安定法「70歳定年へ」改正で実施されるのはいつから

少子高齢化が進む中、働く意欲と能力のある高齢者の労働参加を促し、社会保障の支え手拡大を図る今回の高年齢者雇用安定法「70歳定年へ」改正の方針は。今通常国会で成立すれば2021年4月から施行される見込みです。

確定申告用紙

 

高年齢者雇用安定法「70歳定年へ」改正の方針の意味

高年齢者雇用安定法「70歳定年へ」改正の方針の意味を考えてみます。

今回の改正は、明らかに、増え続ける社会保障費を抑制する狙いの一環で、年金支給年齢を70歳まで遅らせる改革とセットで、70歳雇用義務化を行うものです。

高年齢者雇用安定法「70歳定年へ」改正は、働きたい高齢者を支援する?

確かに今回の高年齢者雇用安定法「70歳定年へ」改正の方針は、働きたい高齢者を支援する効果があります。

これからは、年齢がいっているからという理由で解雇できなくなるわけです。

仕事が好きで働きたい人、仕事にやりがいが持てる人にはメリットの大きい
改正になります。

高年齢者雇用安定法「70歳定年へ」改正で、働かざるを得なくなる人も生み出す

一方、視点を変えると、現状の60歳あるいは65歳でもう働くのは十分と思っている
人には、逆に高年齢者雇用安定法「70歳定年へ」改正で、働かざるを得なくなってしまう
人もいます。

今回の改革は、年金支給年齢を70歳に上げる予定の中の一環ですから、70歳まで、年金に頼らず食いつなげない人は、、70歳までいやでも働かざるを得なくなります。

年金支給年齢が70際になればそれ以前で支給を受ければ年金額は減額されます。

高年齢者雇用安定法「70歳定年へ」改正で、働きたいひとより働かなければ
いけない人が圧倒的に多くなる。

年金支給年齢65歳の現状の繰り下げ支給、繰り上げ支給の現状をみると、年金額が減額されての年金支給65歳を待たずに60歳で受給を受けている人は年金受給開始者全体の3割のも達します。

一方、65歳支給を受けずに70歳まで年金支給開始を遅らせると、増額があるためかなりお得感があります。

ところが70歳まで繰り下げて受給を受ける人は、全体の5%程度にとどまります。

この今の現状を見ると高年齢者雇用安定法「70歳定年へ」改正では、逆に70までは、年金減額を防ぐために働かざるを得ないひとが大多数になる見込みです。

老人を介護している

 

高年齢者雇用安定法「70歳定年へ」改正の方針の「人生100年時代」

今回の閣議決定の素案が練られた「未来投資会議」の中で使われる「人生100年とされる時代において、働く意欲を持つ高齢者の活躍の場を整備することの必要性。」とあります。

一見非常に合理的な指針で説得性もあります。

でも実際どうでしょう。日本に「人生100年時代」は来ているのでしょうか?

最近、いろいろな場所で、「人生100年時代」という言葉が使われますが、この言葉には「落とし穴」があります。

「人生100年時代」といっても、現状の日本では、健康年齢はせいぜい65歳がいいとこです。

日本人の場合、60歳にもなれば、血圧、糖尿の薬を常に飲み、病院に通院しそのうち何割かは「認知症」が始まります。

決して、今の日本は「人生100年時代」には程遠く、言葉だけが独り歩きしています。

60過ぎて、ぼろぼろの身体で、よろよろしながらそれでも働かなければいけない
そんな現実が近い将来待ち受けているようです。

それを避けるためには、健康を維持しいつまでも若さを保つか、経済的な裏打ちを
もつか、このどちらかの選択肢しかなさそうです。

まとめ

 

今回は「高年齢者雇用安定法「70歳定年へ」改正の方針決める、年金対策の思惑!」というテーマで高年齢者雇用安定法「70歳定年へ」改正の方針案の内容と「年金問題」そして「人生100年時代」について、まとめてみました。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

なお、関連記事もご覧ください。

「年金繰り下げ75歳から受給2022年から【高齢者自助】」

 

 

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