池宮彰一郎の「密約―西郷と大久保」は雑誌『野性時代』に連載していたが、第一部で未完となっています。その理由は、やはり盗作疑惑でした。そして池宮彰一郎は、2007年5月6日に肺癌のため死去しています。享年83歳でした。 もう「密約―西郷と大久保」は永遠に続編を見ることは無くなりました。
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池宮彰一郎「密約―西郷と大久保」第一部で未完に終わった理由
池宮彰一郎に対する盗作疑惑が持ち上がります。
池宮彰一郎著の『遁げろ家康』(朝日新聞社)は司馬遼太郎の『覇王の家』との類似点を指摘されてしまいます。
その結果、池宮彰一郎著の『遁げろ家康』2002年12月25日に絶版・回収になります。
同様に、池宮彰一郎著の『島津奔る』(新潮社)も司馬遼太郎の『関ヶ原』との類似の問題を指摘されます。
その結果、池宮彰一郎著の『島津奔る』も、2003年4月3日に絶版・回収になります。
それらの作品が、類似していると指摘されて、その理由を池宮彰一郎は、
「家内の病気や引っ越し、連載が重なり混乱し、資料と先輩作家たちの作品が混ざってしまった。自戒の意味から絶版をお願いした」と無意識に司馬遼太郎の作品と類似してしまったことを認めます。
そして、この池宮彰一郎の盗作疑惑は、作家声明を終わらせることになります。
結果、池宮彰一郎「密約―西郷と大久保」第一部で未完に終わったわけです。
ただ、私個人としては、歴史小説愛好家として、池宮彰一郎氏は、好きな作家でした。
「密約―西郷と大久保」が幻になってしまったことは残念です。
言うまでもなく、私も司馬遼太郎のほぼ全作品、エッセイを読んでいます。
池宮彰一郎氏の類似疑惑については、やはり似ていたとしかいいようがありません。
ただ、作家活動は、類似疑惑の後も続けて欲しいと望んだ一人です。
池宮彰一郎氏には、十分な独創性と才能があったと思うからです。
まとめ
今回は、「池宮彰一郎「密約―西郷と大久保」第一部で未完に終わった理由」というテーマでお送りしました。
最後まで読んでいただきありがとうございました。