麻生太郎さんがどんな不適切発言をしたかについてです。麻生太郎財務大臣といえば、問題発言、名言など話題にことかかない政治家ですが今回は「単一民族」発言が、各マスコミで不適切という指摘を受けています。「単一民族」発言の何が問題立ったのでしょうか?
目次
麻生太郎さんが、どんな不適切発言をしたか「単一民族」発言について
麻生太郎財務大臣が福岡県直方市で開いた国政報告会で、日本について「2千年の長きにわたって、一つの民族、一つの王朝が続いている国はここしかない」と発言しました。
ここで、麻生太郎財務大臣が不適切発言をしたと指摘されているのが、「2000年の長きにわたって一つの民族」の部分の発言です。
まず、発言の前後の流れをいいますと、ラグビー日本代表に、様々な国の選手がいて世界のベスト8に残ったと話した後に「日本はインターナショナルになっているのは間違いない。それが力を生んでいる」と言いました。
それに続いて「2000年の長きにわたって一つの国で、一つの場所で、一つの言葉で、一つの民族、一つの天皇という王朝を126代の長きにわたって一つの王朝が続いている国はここしかない」と発言。
つまり、日本が単一民族の国である趣旨の発言をしました。一見問題はなさそうですが?
実は、去年2019年5月に「アイヌ民族支援法」が施行された矢先の発言でした。
この「アイヌ民族支援法」では「アイヌ」を「先住民族」と明記していていますが、麻生太郎財務大臣は、「アイヌ民族」も同一民族という趣旨の発言になり、矛盾が生じます。
麻生太郎の不適切発言「日本は単一民族」の何が悪いのか?
先ほど、「アイヌ民族支援法」では「アイヌ」を「先住民族」と規定した、と言いました。
一般に「アイヌ問題」と呼ばれている問題が日本にはあります。
普段あまり関心をもっていないかもしれませんが、北海道、東北そして首都圏にも、
少なく見つもって数千人のアイヌが居住しています。
少数派ですが国会議員もおられます。
アイヌ民族の問題は、先住民族・少数民族の問題で、最近は国際的にも、先住民族・少数民族の尊重ということで問題意識が高まっています。
戦前を中心に、アイヌに対し日本政府は「同化政策」をとってきました。
つまり、アイヌ人の文化やアイデンティティを十分認めてこなかった。日本人という一つのくくりの中でしか考えてこなかったという歴史があります。
例えば、昨年施行された「アイヌ民族支援法」でも「アイヌ」を「先住民族」と規定はしましたが、その、「先住民族」から発生する当然の権利、先住権を保障する条文が一切ないという不満が「アイヌ」の人たちにはあります。
2007年に国連で「先住民族の権利宣言」が採択されました。
それから先住権に関する認識が尊重され日本でも、翌年2008年には衆参両議院において「アイヌ民族を先住民族とすることを求める決議」がなされ、内閣官房長官が、2007年に国連で「先住民族の権利宣言」にのっとり総合的な施策の確立に取り組むという談話を発表しました。
ですから、この2007年に国連で「先住民族の権利宣言」以来日本でも、先住民族であるアイヌ民族の人たちとの問題を今まで少しづつ前進させてきた流れがありその前進の一つのステップが昨年の「アイヌ民族支援法」だったんです。
だから、麻生太郎さんの不適切発言「日本は単一民族」は、その流れに逆行する発言ととらえられてしまう懸念があります。
そもそも、日本は、縄文人がいて同時期にアイヌ人がいてそこに大陸から弥生人がわたってきて、そのほかにも、ユダヤ系やその他多くの民族が大陸から渡ってきました。
ですから、同じ日本人といってもかなり顔の作りが異なっている人が混ざっています。
日頃あまり、自分はどの民族の流れから来ているのか問題にもしません。
麻生太郎財務大臣はそういう一般人の意識で発言したと思われます。
ですが、政治家であり現職閣僚という立場としてはやはり「日本は単一民族」は、不適切な発言だったと思われます。
麻生大臣「単一民族」発言訂正<ノーカット
【HTBニュース】麻生副総理「一つの民族」発言 抗議文提出へ
麻生太郎さんの過去の問題発言と明言
この「日本は単一民族」発言の前日1月12日にも福岡県直方市での成人式来賓で問題発言をしてます。
そのときの麻生太郎さんの内容は「万引きでパクられたら名前が出る。少年院じゃ済まねえぞ。間違いなく。姓名がきちっと出て「20歳」と書かれる。それだけはぜひ頭に入れて、自分の行動にそれだけ責任が伴うということを、嫌でも世間から知らしめられることになる。それが二十歳だ。」と発言。
成人式の晴れの舞台の祝辞ですから、もう少しポジティブな激励の言葉を期待していた新成人の若者からは失望の声があがりました。
この他にも総理大臣時代を含め問題発言には、枚挙にいとまがありません。
「子どもを産まなかった方が問題」の発言でも、「年を取ったやつが悪いみたいなことを言っている変なのがいっぱいいるが、それは間違っている。子どもを産まなかった方が問題なんだ」と発言し国会で批判され、すぐに謝罪する羽目に。また「ヒトラーは動機が正しくても駄目だ」など。
政治アナリストの伊藤惇夫氏は麻生太郎さんの問題発言について「学習能力がないとしか思えない」と酷評してます。
同様に、九州工業大の佐藤直樹名誉教授(世間学)も「本来は深刻な問題発言だったにもかかわらず、国民がすぐに忘れてしまう世の中になってきている」とし、 「批判しても無駄だという世間の雰囲気が一番まずい。おかしいことにはきちんと声を上げることが大切
。でなければ同調圧力が増し、社会の人権感覚が底抜けになってしまう」ときびしい批判を受けています。
一方で、心にささる名言もあります。
「人間が生きていくうえで大事なことは、朝、希望を持って目覚め昼は懸命に働き、夜は感謝と共に眠る。この気持ちだと思います。」
功罪入り乱れた麻生太郎さんですが、吉田茂元首相の孫で政界ではサラブレッド、もとオリンピック選手、庶民感覚欠け、カップラーメンの値段を400円とか公然と言ってしまいます。
ですが、今回もなぜか憎めないのは私だけではないかもしれません。
マレーシアのマハティール首相の日本は「単一民族ではなく、多民族国家に」発言
マレーシアのマハティール首相は来日の際、訪問先の福岡市での講演で、外国人労働者の受け入れ拡大を求め日本は、「単一民族ではなく、多民族国家に」と発言しました。
加えて、日本人が、多様な文化を受け入れることの大切さを強調した。
マハティール氏は、移民を日本が積極的に受け入れる意図での発言だったのですが、
この、マレーシアのマハティール首相の「単一民族ではなく、多民族国家に」は、日本人を一つの民族のくくりとして、とらえた発言でしたが、私たち日本人自身も、麻生太郎財務大臣と同様日頃は、意識レベルでは日本人を「単一民族」とみている気がします。
麻生太郎さんが、「単一民族」の不適切発言について釈明
翌日1月14価日、いつものように悪びれずに麻生太郎さんが、「単一民族」の不適切発言について釈明会見をしました。
麻生太郎氏釈明会見の内容
麻生太郎副総理兼財務相は14日の閣議後記者会見で、「日本は2000年にわたって同じ民族、一つの王朝が続いている」などとする自らの発言について「誤解が生じているなら、おわびの上、訂正する」と述べた。
麻生氏は13日に地元・福岡県内で開いた国政報告会で、「2000年にわたって同じ民族が、同じ言語で、同じ一つの王朝を保ち続けている国など世界中に日本しかない」と述べた。
政府は昨年5月に施行された「アイヌ民族支援法」でアイヌ民族を先住民族と明記
している。政府方針との矛盾について麻生氏は「政府の方針を否定するつもりは全くない」と釈明した。(毎日新聞記事より引用)
この麻生太郎財務大臣の不適切発言は、これで収まりそうで良かったと思います。
まとめ
今回は、「麻生太郎さんがどんな不適切発言をしたか。「単一民族」の何が悪いのか」というテーマでお送りしました。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
なお麻生太郎不適切発言の関連記事もご覧ください。
「【最新版】麻生太郎失言・名言集語録まとめ2020年(1)」
「【最新版】麻生太郎失言・名言集語録まとめ2020年(2)」
「集団感染が発生したクルーズ船問題で麻生節を炸裂「割を食っているのは日本じゃねえか」」