空飛ぶ車はいつ頃まで普及するか、でなければなぜ普及しないのか! コスト、安全性、飛行距離の3点から考えてみます。すでに世界各地で開発が進み、一説には東京オリンピックの開会式でお披露目ともいわれています。こちらの記事では世界各国の空飛ぶ車についての情報や最新情報などをまとめて紹介していきます。「空飛ぶ車」は、実際とても車には思えない大型ドローンの類も「空飛ぶ車」と呼ばれ誤解されている部分もあるかと思いますので
ここでは、それれも含めて「空飛ぶ車」と呼びます。
目次
空飛ぶ車はなぜ普及しないのか! コスト、安全性、飛行距離が課題。
空飛ぶ車はなぜ直ぐには普及しないのかを考えます。
今の、空飛ぶ車は、実際は、ドローンを大きくした人が乗れるドローンというイメージです。
さて、この空飛ぶ車、私たちが便利に街中を乗り回すのは、かなりのハードルがあります。
それは コスト、安全性、飛行距離が課題になります。
それに、加え日本では法整備が全くできていません。
まず、コストですが、ただ、人を載せて飛ぶだけなら数年後には製造できますが、
私たちの空に対する「恐怖感」を取り除くためには、より、信頼性の高い製品でなければ
乗る気になりません。
そこまでの技術的補償を設計して「空飛ぶ車」を製造しても下手をすれば数千万から億単位の製造コストがかかります。
今の地上を走る車のように大量生産するためにはそれなりの大量消費が必要になります。
安全性が今の地上を走る車程度には備わらなければ趣味の世界になり、大量消費は見込めません。
次に安全性の中身ですが、空には、標識がありません。空飛ぶ車同士がぶつからないための
システムを構築したり、また墜落しないための安全システムが必要です。
今の日本で、自家用飛行機操縦免許を取るには費用が500万円以上もかかります。
一方フルオートシステムで免許不要とすれば、それはすべて、「空飛ぶ車」の安全を保障するコストにかかります。
それでも免許不要での安全確保には、かなりの期間をかけてシステムを構築し、技術の世界で使うフェイルセーフ、フールプルーフ(システムの故障や誤操作でも安全を確保できる仕組み)を作る必要があります。
そして、最後にバッテリー技術です。
バッテリーを、今より一層の小型軽量化にあわせて低価格化をしなければ、やはりこれもネックです。
今、日本で走っている電気自動車の日産リーフのスペックと価格をみれば、いまのバッテリーの技術が到底追いついていないことがわかります。
家庭用蓄電池も同様です、たった一晩使う家庭用電気を貯めるのに100万円以上の
コストがかかります。
それが「空飛ぶ車」に置き換えると航続距離の問題になります。
今の電気自動車に加え、浮上するのに余計にエネルギーを使います。
またエネルギー消費を防ぐため、そのため軽量化しすぎると少しの風でも影響を受けてしまいます。
さらに日本の場合、落雷もあり運転席を金属でなく樹脂にすると雷の餌食です。
これらの技術的課題は、すぐには解決できません。当面は個人で所有する場合、富裕層の人たちの趣味になるでしょう。
空飛ぶ車はいつから普及するのか、実用化される時期は。
まず、日本の状況ですが、 愛知県豊田市で「空飛ぶクルマ」の開発を進めているスカイドライブ社は、日本で初めて2019年12月に有人の飛行試験を始めたことを明らかにしました。
スカイドライブによりますと、「今年夏にはデモフライトを公開し、23年の販売開始をめざす。」としています。
スカイドライブ社ははトヨタ自動車出身の若手技術者らが2018年7月に設立してつくられた会社で、2018年12月には無人の屋外飛行試験に成功し、有人での飛行試験は19年12月下旬、豊田市にある同社の屋内飛行試験場でおこなわれたといいます。
試験機は1人乗り、縦横3・6メートル、高さ1・6メートル。機体の四隅にはプロペラが2組ずつります。写真からすると、道路を走行するタイヤはなさそうで、空飛ぶ有人ドロー
のイメージでしょうか。
スカイドライブ社でも「目指すのは2050年までに誰もがいつでも空を飛べる時代を創ること」としています。
2050年といえばあと30年後です。実際、これが現実ラインだとは思います。
当面の展望はバッテリーの進化などにもよるが、スカイドライブは年間数台規模の生産を目指す23年の時点で、飛行時の最大時速100㎞、飛行距離にして20~30㎞程度を予定とのこと。
機体価格は当初スーパーカー1台分、4000万~5000万円程度。量産化が進めば半額以下に引き下げていくことも可能。ということです。
日本の役所はというと、経済産業省と国土交通省が「空の移動革命に向けた官民協議会」を共同で立ち上げ、11月16日に行われた第3回会議において、技術開発やインフラ・制度整備に向けたロードマップの素案を作成。
空飛ぶクルマを新たな産業に育てようと本腰を入れているところです。
この点、ヨーロッパではすでに、民間会社のAero Mobilが認可を取っていて、「空飛ぶ車」の販売を待つだけなのに対し、日本では、「空飛ぶ車」の免許制度をどうするかさえ決まっていない状況です。
一方海外での空飛ぶ車の開発状況は、欧州の航空機大手エアバスやアメリカ配車大手ウーバー・テクノロジーズなど、さまざまな企業が開発を競っています。
ウーバー・テクノロジーズは、2020年の試験飛行を目指しています。
航空機大手のエアバスとアウディ連合、英ロールス・ロイス、また、、グーグルを傘下に持つアルファベットCEOのラリー・ペイジ氏が出資するキティ・ホークなど、が空飛ぶクルマに参入をきめています。
米ボーイングと独ポルシェは、都市圏の空域を移動する全面的な電気動力の「空飛ぶ車」の研究、開発で提携すると発表しました。
垂直に離着陸可能な機体を想定し、投入する資金、研究開発に絡む具体的な日程や市場での値段などについてはまだ発表していません。
こちらは、東欧スロバキアのエアロモービル社の開発した空飛ぶ車です。
価格は120万ユーロ?150万ユーロ(約1億4000万円?1億8000万円)になる見込みで、2020年の納車開始を予定していそうです。
このエアーモービル社の空飛ぶ車が一番私たちのイメージに近い気がします。
こねなら、飛行も走行もできる本当の意味での空飛ぶ車と言えそうです。
空飛ぶ車が実用化された場合のメリットは何か
渋滞問題の解決や災害時の人命救助などに役立つと期待されるとされています。
空飛ぶ車の実用化で急患輸送、警察(消防)の派遣などに利用することで暮らしの安全にも寄与できるということです。
人口の少ない過疎地域に道路を「これ以上に建設」し、
維持していくよりも「空飛ぶ車」が発着できる平地を確保する方がコストが安くなる場合もあります。
そして、なんと中東のアラブ首長国連邦(UAE)のドバイが、「空飛ぶ白バイ」を世界に先駆けて導入すると発表しました。
ドバイ警察に採用予定の空飛ぶ車は、ロシアのホバーサーフ(Hoversurf)社が開発した「スコーピオン」。1人乗りの文字通り「空飛ぶバイク」だそうです。
日本での空飛ぶ車の実用化前のデビューは、2020年東京オリンピックになるか?
いま、日本で開発されている空飛ぶ車の最初のデビュー計画が、なんと2020年の東京オリンピックの開会式です。
東京オリンピックの開会式に空飛ぶ車が現れ、聖火台への点火式を行うというシナリオも空飛ぶ車の開発が間に合えば、描くことができます。
そうすれば、世界中の人々が驚き、日本の技術力を見直してもらうチャンスかもしれません。
いずれにしても、本当の私たちの身近に空飛ぶ車が動き始めるのは、まだまだかかりそうです。私は、今の自家用乗用車のように、個人で持てるようになるには、今から30年~50年はかかると予想しています。
今回は、空飛ぶ車の実用化までの問題点と実用化時期について書きました。
そして、「空飛ぶ車は」のイメージは有人化された大型ドローンのイメージであることを
お知しらせしました。
最後まで読んでいただきありがとうございました。