インドネシアに在住したり、出張したりした人たちが、こんな差別的な嫌がらせを受けています。テラワン保健相が「マレーシア在住の日本人女性が新型コロナウイルスを持って来た」と発言したことをきっかけに、日本人に対する差別的な言動が増加しました。在インドネシアの石井正文・日本大使は、「インドネシア在住の日本人、なかでも子どもたちが、新型コロナウイルスを理由として嫌がらせや差別的言動が出ているという話を聞き、非常に残念に思っています。インドネシア在住の日本人は、コロナウイルスの感染源ではなく、インドネシアの友人です」といっている。こんな中、クルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス号」号のインドネシア人のその後について。さらにインドネシアに家族がいるディーン・フジオカが、家族に向け送った冷静なメッセージについて。
目次
インドネシア新型コロナウィルスで日本人差別の実態
最近、、日本人に対する差別的な言動が増加しています。
「日本人といわれただけで『コロナ』と罵倒された」「『マスクを着けろ、日本人』
と怒鳴られた」「アルコール消毒液をかけられた」「タクシーで3件続けてキャンセ
ルされた」――などの例がみられます。
インドネシアには2万人近い日本人がいます、日系企業も約1900社もあります。大変困ったことです。
テラワン保健相が「感染源は日本人」と決め付けた上、日本で感染者数が増え続けているため、一部で日本人が過剰に危険視されている可能性があります。
商工会議所と日本人会を併せ持つ「ジャカルタ・ジャパン・クラブ(JJC)」によると、こうした例の報告が2日以降相次いだ。日本人がレストラン入店や配車サービス利用を断られた例の他、「スーパーで冷たい視線を浴びる」「陰口を言われる」といった相談が多数寄せられています。
在インドネシア日本大使館は、日本人が同僚から「マスクを着けてくれ」と求められたケースなどを把握。
ツイッターに「日本人が来たので、他の客は全員少しずつ、その場を離れた」と投稿したインドネシア人もいる。
JJC事務局は、在留邦人やインドネシアを訪れる日本人に「飲酒を伴う懇談会を制限している企業もあり、行動に注意してほしい」と呼び掛けている。
日本大使館も「悪質な嫌がらせなどが増加する可能性がある」として、相談窓口を設置。インドネシア政府に発生防止を申し入れている。
インドネシア新型コロナウィルスの最初の感染ルートは日本人?
インドネシアのジョコ・ウィドド大統領は3月2日、国内で初めて新型コロナウイルスの感染者が確認されたことを発表しました。
発表によると、感染したのは、ジャカルタ近郊に位置する西ジャワ州デポック市在住のインドネシア人の親子(母親64歳、娘31歳)で、新型コロナウイルスへの感染が先日確認されたマレーシア在住の日本人と、インドネシアで接触していた。
この日本人は、2月上旬にインドネシアに滞在し、帰国後のウイルス検査で陽性となっています。
インドネシア政府は2日、ダンス教師の女性(31)と母(64)の感染を「国内初」として発表しました。
女性は先月中旬にマレーシア在住の日本人とダンスし、この日本人の陽性が一足先に判明。
6日には、追跡調査で新たに2人の陽性が判明したと発表されました。
感染したインドネシア人2人は現在、北ジャカルタの政府指定の病院(RS.Sulianti uroso)に入院しているが、容体は安定していると報じられています。
ジョコ大統領は、インドネシア国内に、国際基準に沿った隔離施設を有する100以上の病院があると述べ、新型コロナウイルス拡大防止に政府として対応していく準備があることを示しました。
インドネシアでは、これまでシンガポール在住のインドネシア人や、日本のクルーズ船に勤務するインドネシア人など、国外での感染しか確認されていませんでした。
実際、インドネシアは、他の近隣国が感染者が出ている中唯一、国内感染者0の状況でした。
そこに、突然起きたのがこの感染ニュースです。
当然、日本人に対する風当たりが強くなったのでしょう。
インドネシアは中国と交流が比較的多いのに、インドネシアに不思議と感染者が今まで出なかったのは、たまたまラッキーだったのか、気候が関係しているのか、
現地人が言っているように「神に祈っているおかげ」なのかはわかりません。
少なくても、言えるのは、インドネシアは、ずっと感染がなく安心していたのです。
インドネシアの国内感染の知らせが入り、その感染源が日本人だったということです。
日本では、親日のはずのインドネシアがなぜ、日本人に差別をするのか不思議がる人もいますが、ことの経緯からして日本人を疫病神的に思っているのもうなずけます。
だからと言って日本人に対する差別まで賛成するのでは当然ながらありませんが。
クルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス号」のインドネシア人
クルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス号」のインドネシア人についてです。
クルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス号」は、乗客と乗員併せて3711人で、そのうち700人が新型コロナに感染し、3月5日の時点では、6人の死者が出ています。
そして、1000人を超えるスタッフのうち78人がインドネシア人でした。
そして、彼らは、一時、インドネシアの無人島に隔離され、現在も経過観察中です。
さらに、インドネシア政府は、3月8日から新型コロナの感染が拡大しているイラン、イタリア、韓国からの入国を制限しています。
この3国を直近に訪れた日本人も対象です。
日本の政府とは正反対にこれほど徹底して対策をとっているなか、インドネシアの感染が起きてしまったのです。そして、それに日本人が関与したことになっています。
ディーン・フジオカがインドネシアの家族に送ったメッセージ
日本への偏見・風当たりが厳しいなか、インドネシアに在住する家族へ送ったディーン・フジオカさんのメッセージがあります。
ちなみに、ディーンさんは、2012年に2歳年上の中国系インドネシア人の女性と結婚、奥さんは社長令嬢で現地では有数のセレブです。
2014年には、男女の双子が誕生。2017年にも男の子が生まれています。
そのご家族にディーンさんが送ったメッセージは「情報にまどわされたり何か普段と違うことをするより、いつもどおりの生活の中で、健康を心がけるようにしたほうがいい」とし
インドネシアでポピュラーな「ジャムー」と呼ばれる生薬を勧めたそうです。
これは、特別な薬ではなく、体調不良時に飲む薬で、自然素材から作られた伝統的な薬だそうです。
こんな、フジオカさんの願いの様にインドネシアにもこのメッセージにあるように冷静を取り戻し平穏が訪れることを願います。
まとめ
今回は、「インドネシア新型コロナウィルスで日本人差別、クルーズ船インドネシア人のその後」というテーマでお送りしました。
最後まで読んでいただきありがとうございました。