11月23日実施の第79期順位戦A級5回戦羽生善治九段対佐藤康光九段対局の講評と棋譜です。結果は147手で羽生九段の勝ちとなりました。 羽生九段はこれで2勝3敗。敗れた佐藤九段は3勝2敗となりました。
目次
第79期順位戦A級5回戦羽生善治九段対佐藤康光九段対局講評。
11月23日に行われた第79期順位戦A級5回戦羽生善治九段対佐藤康光九段対局の講評です。
結果は147手で羽生九段の勝ちとなりました。 羽生九段はこれで2勝3敗。敗れた佐藤九段は3勝2敗となりました。
タイトル99期の羽生九段、同13期の佐藤九段という将棋界のレジェンド対局は、本局が通算164局目。期待通りの熱戦が期待された一局は、注目の夜戦に入った。戦型は角交換型振り飛車から進み、形勢はほぼ互角に展開。
通算164局目のレジェンド対決。羽生九段は前人未到のタイトル通算100期をかけて竜王戦七番勝負で豊島将之竜王と戦っている。
佐藤九段はトップ棋士として活躍する一方、日本将棋連盟会長として多忙な日々を送っている。序列トップの渡辺明名人、永瀬拓矢王座、そして最年少でタイトルを獲得した藤井聡太二冠といった、年齢では一回りも二回りも離れた実力者たちにも、今なお互角に渡り合っている。
居飛車・振り飛車ともに指しこなすオールラウンダーの羽生九段に対し、佐藤九段は独創的な戦型を選択することでも知られる。
後手番の佐藤九段の作戦は二手損向かい飛車。金銀2枚で、木村義雄14世名人が得意とした「木村美濃」に組みました。
羽生九段は金銀4枚で玉を固めます。
佐藤九段は羽生陣に角を打ち込んで引き成り、馬を作ります。対して羽生九段は手に乗って飛車を中央5筋に回りました。
佐藤九段は歩を取りながら、中段に桂を跳ねていきます。対して羽生九段は57手目、その桂取りに▲2六歩と打ちました。
佐藤九段が桂を捨てて攻めて来ようとしているところですので、これは決断の一手でした。
佐藤九段は桂を捨てる代償に△3七歩成と、と金を作ります。このと金がはたらくかどうかが、本局の大きなポイントでした。
羽生九段は得した桂を打って攻めていきます。
自陣に脅威が迫る中、佐藤九段は△4七と、と寄せていきます。これは勝負手でした。
対局室に戻ってきた佐藤九段。上座に行きかけて、自分の席はそちらではないことに気づいて、下座の方に向かいます。
84手目。佐藤九段は羽生陣に2枚目のと金を作ります。それも飛車あたりで好調子です。
羽生九段は飛車をどこに逃がすべきか。常識的には3筋に逃げるのがよさそうです。そこをあえて羽生九段は2筋に飛車を逃しました。
常識を超越した、この一手の是非については何とも言えません。しかし羽生九段はそうしてこれまで勝ってきたわけです。
形勢ははっきりと、佐藤九段よしとなりました。
100手目。佐藤九段は7分を使って桂を打ちました。これが厳しい寄せです。持ち時間6時間のうち、残りは佐藤6分、羽生25分。佐藤九段の方が時間が切迫しています。
佐藤九段のと金はついに、羽生玉に王手をかけるところにまで迫りました。
0時を過ぎ、日付が変わります。羽生九段は5分考えて、佐藤陣に飛車を打ち込んで下駄をあずけました。残りは18分。
佐藤九段は最後の1分を使って、ついに「一分将棋」となります。深夜の順位戦。
秒を読まれる中、佐藤九段は羽生玉に迫っていきます。
桂を打って王手をされた羽生九段。
正座にすわり直した羽生九段。残りは9分となりました。そして「桂先の玉、寄せづらし」の格言通り、桂の頭に玉を逃げます。相手の攻め駒に近づいて怖いようでも、これが正着です。
攻防ともに秘術を尽くす羽生九段。そうしてこれまで、何度も大逆転劇を演じてきたわけです。
139手目。羽生九段は王手から逃れて端に逃げます。
羽生玉はついに逃げ切り、そして羽生九段に手番が回ってみると、佐藤玉には十数手の即詰みが生じています。
羽生九段は、佐藤玉に王手をかけていきます。
149手目。羽生九段は2枚目の角を打ちます。王手。これで詰みとなりました。
第79期順位戦A級5回戦羽生善治九段対佐藤康光九段対局棋譜。
第79期順位戦A級5回戦羽生善治九段対佐藤康光九段対局棋譜(全指し手)。
ー将棋対局速報▲羽生善治九段(1勝3敗)-△佐藤康光九段(3勝1敗) 第79期順位戦A級5回戦[三間飛車]
第79期順位戦A級▲羽生善治九段△佐藤康光九段
羽生善治九段が勝ちました。
(持ち時間:6時間)
ー第79期A級順位戦 5回戦 ▲羽生善治九段 – △佐藤康光九段【将棋棋譜】
ー超!大逆転! 第79期 順位戦 羽生善治九段 vs 佐藤康光九段 ピンポイント解説 【将棋】
まとめ
今回は「順位戦A級5回戦羽生善治九段対佐藤康光九段対局棋譜。」というテーマでお送りいたしました。
最後までご覧いただきありがとうございました。