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第78期将棋名人戦七番勝負豊島将之名人対渡辺明二冠第5局対局棋譜

豊島将之竜王・名人

豊島将之竜王・名人

第78期将棋名人戦七番勝負豊島将之名人対渡辺明二冠第5局対局(最終)の講評と棋譜。第78期名人戦第5局は、渡辺 明二冠が勝ちました。

豊島将之名人

目次

第78期将棋名人戦七番勝負豊島将之名人対渡辺明二冠第5局講評

渡辺明二冠

8月8日の第78期将棋名人戦七番勝負の2勝2敗のタイで迎えた名人戦第5局二日目最終。

第78期名人戦第5局は、 渡辺 明二冠が勝ちました。

 

豊島将之名人竜王とあわせ二冠に渡辺明二冠が挑戦する第5局は東京都渋谷区の将棋会館にて二日目が午前9時に始められた。

第4局で勝って2勝2敗に追いついた渡辺二冠が逆転するか、豊島名人が再び突き放すか、いずれが勝ってもタイトル獲得にあと1勝と迫る重要な一局となります。

1日目は52手目、渡辺挑戦者が飛車を中段に出たところまで進みました。

1日目の8月7日は盤上のいたる所で駒がぶつかる激しい展開でした。

 

二日目、後手番の渡辺挑戦者は雁木志向。豊島名人が棒銀に出たのに対して、渡辺挑戦者は4筋に飛車を回る意外な手段で対抗します。

そのあとは、思いも寄らないような進行となりました。

 

53手目。豊島名人は飛車取りに歩を打ちました。

 

歩を控えて打つ△4七歩か。それとも一歩を犠牲にして先手を取る△4六歩か。ここは大きな分岐点で、どちらも有力と予想されていました。

 

3分を使ったあと、渡辺挑戦者はゆったりとした動作で飛車を動かし、歩を取ります。

 

豊島名人にとってはここもまた大きな分岐点。飛車成を防ぐために歩を打つか。それとも銀を打つか。

 

名人はすぐにを打ちました。対して挑戦者もすぐに飛車を引きあげます。

 

豊島名人は7筋の歩を突いて取らせ、金を上部に誘います。

 

豊島名人は1日目、玉側の桂を跳ね出して歩を1枚得し、さらに攻撃陣側の桂でも歩を取って、合計2歩を得していました。本日指されたやりとりでは2枚の歩を渡辺挑戦者に渡したことになり、駒の損得はなくなりました。

 

59手目。豊島名人は渡辺陣に生じたスキに角を打ち込みます。

 

これは金取りで、強い手です。金を逃げられてしまうと、この角は行き場がなくなります。

 

豊島名人は角を渡す代わりに、渡辺挑戦者の攻め駒である銀桂の2枚をもらいました。

 

角と銀桂の「二枚換え」は一般的には、2枚もらった方が得をする場合が多い。

 

しかし将棋は常にケースバイケースで、その二枚換えがいつでも得であるとは限りません。

 

渡辺挑戦者は手に乗る形で、前線に誘われた金をさらに前に押し出していきます。

 

渡辺陣の攻め駒がすべてさばけているのに対して、豊島陣の右辺には棒銀が残っているのが気になるところです。

 

1日目が終わった段階では、どちらかといえば豊島名人乗りの声が多く見られました。2日目に入ると、渡辺挑戦者が盛り返しているようにも見受けられます。

次いで渡辺挑戦者は駒台の角を手にして、自陣中央四段目に据えました。

豊島陣の二方をにらむ筋違い角です。この一手は昼食休憩をはさんで1時間39分の消費でした。

ここでABEMAの「SHOGI AI」は互いの形勢を勝率50パーセントとし「読み筋 千日手」と表示しました。

はたしてどういう手順で千日手となるのか? 具体的な手順が示されていなければ、そこで人間は千日手になりそうな順を考えます。

本譜は千日手とはなりませんでした。 豊島名人はまず渡辺陣に銀を打ち込み、縦によく利く飛車を横に追います。

 

そして「大駒は近づけて受けよ」の格言通り、歩を打ち捨ててで筋違い角を呼び込み、金を上がって角成を受けます。

 

75手目が指された時点で持ち時間9時間のうち、残り時間は豊島2時間42分、渡辺2時間51分。

 

さあここでまたどうするのか・・・。観戦者にはそう思われたところで、渡辺挑戦者は考慮わずか4分で盤上に手が伸びました。そして五段目の金を手にして、△6六金。豊島陣の歩が待つ先へと金を進めました。

 

歩の前に出た金を取られると、渡辺挑戦者の角は豊島陣一段目に成りこんで、きれいに攻めがつながります。

 

人は一局の将棋で何度驚くことになるのか。とりわけ本局では何度も何度も、観戦者驚愕の手を見せられています。

 

名人にとっても、金出は想定内だったのかどうか。ここでまた名人の手が止まりました。

もし△6六金から渡辺挑戦者が勝利をつかみとれば、この歩頭の金出は名人戦史上に残る妙手となりそうです。

序盤から前例のない力戦になり、終盤戦を迎えるまで先手の豊島名人が微差のリードを保ったが、渡辺2冠が最後に抜け出した。

自玉の「薄さ」というマイナスを「広さ」のプラスに転換させ、逃げ切った。

 

局後は「力戦形で読んでみないと分からないところもあり、見た目の判断が通用しない将棋でした」と難解な勝負を振り返り、次局に向け「来週すぐありますけど、こういう状況(名人に王手)を迎えたことがないので、当日どういう気持ちで指すか分からないですけど、乗り越えていければと思います」と抱負を述べた。

 

 


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豊島将之 名人 vs. 渡辺 明 二冠 第78期名人戦七番勝負 第5局 棋譜紹介 2020.08.07-08 5:32~より詳細な棋譜解析

対局日 :2020年8月7日・8日
棋戦名 :第78期名人戦七番勝負 第5局
対局者 :豊島将之 名人 vs. 渡辺 明 二冠
結果  :渡辺 明 二冠の勝ち
手数  :128
持ち時間:9時間

まとめ

今回は「第78期将棋名人戦七番勝負豊島将之名人対渡辺明二冠第5局対局棋譜」というテーマでお送りしました。

 

最後までご覧いただきありがとうございました。

 

 

 

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